早期に脂肪肝を発見することが大切!
怖い脂肪肝炎(NASH)も怖くない脂肪肝(NAFL)も始まりは同じ。「炎症を起こす前段階のNAFLD状態なら、食事や運動の改善で健康な肝臓に戻せる」と船津医師。
そのためには早期に脂肪肝を発見することが重要だ。船津医師は、「健康診断の血液検査の数値に異常があれば、エコー検査を受けて」と薦める。明確な診断基準がないため、エコーで肝臓の画像を見て、医師が総合的に判断するしかないからだ。
肝機能の指標「AST」「ALT」の数値が一つの目安となる。ALT値がAST値を上回ると非アルコール性脂肪肝や慢性肝炎が疑われる。LDLコレステロールが急上昇している場合も要注意。
●数値が高い人はエコー検査を
「腎臓より肝臓の方が明るく見える」場合、脂肪肝の疑いが強まる。エコー検査をするなら、肝臓専門医がいる施設や消化器内科がお薦め。
次回は、脂肪肝を予防するための生活習慣や対処法をご紹介します。
船津和夫
三越厚生事業団 三越診療所 医師
三越厚生事業団 三越診療所 医師

横山裕一
慶應義塾大学 保健管理センター 教授
慶應義塾大学 保健管理センター 教授

取材・文/荒川直樹 イラスト/三弓素青、PIXTA