周りの人は「ライバル」? それともあなたの「仲間」?
まず、「ココロが揺らぐ」とはどういうことか、考えてみましょう。ありがちなのは、失敗などうまくいかなかった出来事をきっかけに、気分が落ち込んでしまうパターン。
そんなとき、「めげちゃダメ。頑張らなきゃ」などと思うと、往々にして自分を責める気持ちが強くなります。「失敗はダメ」というところから「失敗で揺らぐ私はダメなヒト」という考えへ、マイナスの思考をかえって強めてしまうのです。
一方、ココロが揺らぎにくい人は、失敗をしたとき、まったく違う受け止め方をします。「失敗は仕方ない。経験を次につなげよう」などと、自然と前向きにとらえます。揺らがないように頑張るといった意識は、ほとんどありません。
この違いは、どこから来るのでしょう? 実は「揺らがないココロ」のポイントは、人間関係のとらえ方にあります。
ココロが揺らぎやすい人は、自分と周囲の関係を、「評価する人/される人」のような上下関係や、「ライバル」のような敵対関係でとらえていることが多いのです。だから、周囲に弱みを見せないように頑張っていますが、ひとたび失敗すると「しまった!」とパニックに陥ったり周りが見えなくなったりしやすい。
一方、揺らぎにくい人は、周りとの関係を「仲間」ととらえています。仲間ですから、誰かが失敗したときに助けたり助けられたりするのは当然。だから自分が失敗したときも、必要以上に深刻になりません。
レッスン1では、自分の人間関係を見直してみましょう。注目するのは「雑談」です。
みなさんは、職場や家庭で雑談をしていますか。人間関係を「仲間」ととらえているなら、実務的な会話以外に、ふとよもやま話が弾むもの。そんなココロ和むやりとりができていないとしたら、上下関係や敵対関係に縛られているか、自分ひとりで頑張りすぎて、周りが見えなくなっているのかもしれません。