鼻呼吸で細菌やウイルスの除去が可能に
鼻には、外から入ってくる細菌やウイルスなどを除去したり、呼気を温めて適度な湿り気を与える機能が備わっているが、口にはこのような機能はない。そのため、「口呼吸では口やのどの粘膜が乾燥しやすく、ウイルスなどの感染リスクも高い」と、みらいクリニックの今井一彰院長は説明する。
乾燥でのどに慢性的な炎症が生じると、全身の免疫力も低下する。「カゼをひきやすくなるだけでなく、アレルギーや歯周病、さらには筋肉や内臓などの疾患にまで影響すると考えられる。実際、口呼吸をやめることでこれらの症状が改善することもある」(今井院長)。
今井院長によると、女性の7~8割は口呼吸だという。「口呼吸を続けていると、舌が前に突き出てあごが下がり、ほうれい線の深い「ブルドック顔」に。二重あごやエラ張りの原因にもなりやすい」と今井院長。
□安眠できる
□カゼを引きにくくなる
□歯周病が悪化しにくくなる
□角が上がり、ほうれい線が薄くなる
口閉じテープでいびきを治める
そこで注目されるのが「口閉じテープ」だ。「貼って寝るだけでいびきが治まり、睡眠が深くなる」と今井院長はいう。
口閉じテープの使用で、いびきの音量や頻度が減った
口呼吸の自覚がある20代男性。1日8時間の睡眠時に2秒ごとの音量(dB=デシベル)を測定し、50dB以上の回数を1週間のデータで比較。口閉じテープを使用した場合、テープなしに比べて大きないびきの音が約5分の1に激減した。(データ提供:小林製薬)
※実験には『ナイトミン鼻呼吸テープ』を使用
次回は、口閉じテープの上手な貼り方を紹介します。
みらいクリニック院長

筑波大学 国際統合睡眠医科学研究機構 環境生理学教授

取材・文/オカモトノブコ 写真/鈴木 宏 モデル/津山祐子 グラフ/増田真一 図版/三弓素青