通話品質にも気を配る
オンライン会議では、相手の声をクリアに聞き取れる音質も重要だ。1対1でやり取りする場合、ヘッドセットがあると周囲の雑音を抑えられ、相手の声も聞きやすい。こちらの声も相手に届きやすい。
会議室に集まって会議をする場合は、各自のパソコンでマイクとスピーカーをオンにするとハウリングが発生してうまくいかないことがある。そんなときは、参加者全員の声を拾える無指向性マイクとスピーカーが一体になったスピーカーホンを使うとよい。会議室の大きさにもよるが、集音半径が5m以上でエコーキャンセリング機能があるものが望ましい。
相手や用途によって複数のサービスを使い分け
最後に最も重要なのが、オンライン会議サービスの選び方だ。代表的なサービスは、下記の通り。これらは、いずれも無料で試せるだけでなく、一定の条件下では無料で使い続けられる。
Cisco Webex Meetings
提供元:米シスコシステムズ
無料版接続制限:100人(1回50分)
画面共有:○
アカウントなしで参加:○
録画・録音:○(主催者のみ)
背景ぼかし:○
ホワイトボード:○
その他:投票機能、挙手機能
有料版の価格(税別):1980円/月(1ホスト当たり)、小規模チーム用の1490円/月のプランなどもある
Zoomミーティング
提供元:米ズームビデオコミュニケーションズ
無料版接続制限:100人(3人以上は1回40分)
画面共有:○
アカウントなしで参加:○
録画・録音:○
背景ぼかし:バーチャル背景のみ
ホワイトボード:○
その他:挙手機能、少人数グループの作成
有料版の価格(税別):2000円/月など(1ホスト当たり)
Google Meet
提供元:米グーグル
無料版接続制限:100人(1回60分)※9/30までは最長24時間
画面共有:○
アカウントなしで参加:△
録画・録音:△(プランによる)
背景ぼかし:×
ホワイトボード:△
その他:G Suiteアプリと連携
有料版の価格(税別):個人ユーザーには無料、企業にはG Suiteとして提供・680円/月(1ユーザー当たり)など
Microsoft Teams
提供元:米マイクロソフト
無料版接続制限:250人
画面共有:○
アカウントなしで参加:×
録画・録音:○(無料版は×)
背景ぼかし:○ バーチャル背景もあり
ホワイトボード:○
その他:挙手機能、Officeアプリを使った共同作業
有料版の価格(税別):540円/月(Microsoft 365 Business Basic、1ユーザー当たり)など
Skype(※2020年8月現在、新規申し込みを停止中)
提供元:米マイクロソフト
無料版接続制限:50人
画面共有:○
アカウントなしで参加:○
録画・録音:○
背景ぼかし:○
ホワイトボード:○
その他:字幕の自動作成
有料版の価格(税別):固定電話などへの通話を除き、無料
なお、ここで紹介した機能はあくまでも2020年8月現在のものだ。各サービスとも、それぞれの強みと技術基盤をベースに開発ペースを上げており、毎月のように新機が付加されたり、既存機能が強化されたりしている。昨日まではできなかったことが今日はできるようになっている、といったケースも当たり前のようにあるので、使い始める前に一度確認してみよう。
また、実際のビジネスシーンでは、組織が導入しているシステムだけでなく、取引先など相手先の都合に合わせて複数のサービスを使い分ける必要がある。社内の会議等はTeamsで統一されていても、社外とはZoomミーティングやGoogle Meet、あるいはCisco Webex Meetingsを適宜使い分ける、といった人は多いはずだ。

テレワーク実践ガイド 完全版
(日経BP/1680円、税抜)
日経パソコン編。在宅勤務の急増で、ビデオ会議やビジネスチャットを利用した情報共有などオンラインでのコミュニケーションが当たり前になりつつあります。 そんな「テレワーク」の導入から実践までを、実務に即して分かりやすく解説します。
アマゾンで購入する