昭和、平成、令和と、いつの世も私たちARIA世代の心をわしづかみにする作品を生み出し続ける柴門ふみさん。現在は『恋する母たち』(小学館)で40代の恋する母親たちを描いています。柴門さんがARIA世代にメッセージを送る連載、3回目の今回は、ご機嫌に年を重ねる秘訣について語ってくれました。
(1)東ラブから30年。柴門ふみが描く「40代からの恋」
(2)がん経験で残り時間を意識 創作力は今が最高
(3)「ご機嫌に年を重ねる5カ条」人生に無駄はない ←今回はココ
(4)「ご機嫌に年を重ねる5カ条」最後は女友達!
60代は、新鮮な世界が広がっている
―― 日経ARIAの読者がこれから豊かに年を重ね、60代以降の人生も楽しんでいくために、アドバイスをお願いします。
柴門ふみさん(以下、敬称略) 60代からの人生も楽しいですよ。意外にも新鮮なことが目白押しで、私は純粋に楽しんでいます。
20年くらい前、秋元康さん(作詞家、プロデューサー)と対談したときに「40代になると『初めて』がなくなるよね」という話をして盛り上がったんです。「初ふぐとか初すっぽんとか食べ物も含めて、初めての経験にビックリすることはもうなくなったね」と。
でもね、60代になるとまた出てくるんですよ。「初老眼鏡」とか「初孫」とか「初介護パンツ」とか。うちもちょうど初孫が生まれたばかりで、ちょうど今週は娘が連れて帰ってきているので、部屋のあちこちにベビーグッズを置いているんです。
そろそろ「初ウィッグ」にも興味あります(笑)。新鮮な世界が広がっているから、「ARIA読者の皆さま、どうぞお楽しみに」と言いたいですね。
―― 「年を重ねることのよさ」とは何だと思いますか?
柴門 一番は、「動じなくなること」ではないでしょうか。
