「あの人さぁ、新規事業立ち上げのたびに新しい恋に猛進する癖がない?」「そうなんですよ河崎さん、たぶんあの人、恋愛エネルギーが燃料なんですよ。一種のドーピングなんですよね」
「ドーピング」、かぁ……。
40、50代には「ドーピング」が必要だ
そういえば私も、とかく飽き性でいろいろなことに鼻を突っ込みたがる性分の割に、最近は何か新しいことをするときちょっと「よっこいしょ」なんて気持ちになったりする。
そんな「よっこいしょ」の小さな丘を乗り越えるために、いい雰囲気のカフェまで出掛けてカフェイン(コーヒー)や砂糖(スイーツ)を摂取して気分をアゲたり、やる気やアイデアが一滴も出ないときほど祈る気持ちで栄養ドリンクを投入したり、山を越えたときは心地よい疲労感をさかなに、ちょっといい泡ものを軽く飲んで緊張をほぐしたりする。
紛れもなく「ドーピング」である(言い方は悪いが)。
実は、飲み会対策のウコンや肝臓エキスをコンビニの出口でグッと飲み干してから会場へ向かう。女性ホルモン的な何かをどうかしてくれそうなイメージがあるので、牛乳よりも豆乳派。朝から晩まで、幾種類ものサプリに化粧品に美容家電にとお世話になり、美容室やネイルやまつエクやジムなどにも、せっせ、せっせとお金を払っている。
思えば、時間と労力と、そして最近は気力までお金で買うようになってしまった。というのも悲しいことに、時間にも体力にも気力にも限界があるからなのだ。