こだわりぬいた世界観に魅了、大ファンに

―― タピオカティーとの出合いは、会社員のとき、台湾に転勤したことがきっかけだったそうですね。

木川 マッキンゼー・アンド・カンパニーの日本法人でコンサルタントとして働いていた2004年に、台湾に1年間駐在したのですが、そのときに春水堂を知り、タピオカミルクティーのおいしさに衝撃を受けました。

 「春水堂」は、台湾全土で52店舗を展開する老舗カフェで、国民的なブランドとして36年間も愛されてきた存在です。品質へのこだわりが強く、お茶マイスターの認定資格を取得した人しかドリンクを作ることができません。落ち着いたインテリアや心地よいサービスなど、こだわりぬいた世界観にすっかり魅了され、大ファンになりました。

 もともと台湾では、日常的にお茶を楽しむ文化があり、道端のティースタンドでも、いろんなフレーバーがついたアレンジティーが売られているんです。タピオカティーもアレンジティーの1つです。

 お茶はバリエーションが豊富で、茶葉の産地や種類、いれ方によって全く味が変わります。その奥深さに好奇心が刺激され、どんどんハマっていきました。文化的な背景も魅力の1つです。ちなみに、タピオカミルクティーって、いつごろ登場したものだと思いますか?

―― 比較的新しいスイーツといったイメージがありますけれど……。

木川 そう思いますよね(笑)。でも、実は違うんです。87年に春水堂がアイスミルクティーにタピオカを入れて提供したのが始まりなんですよ。

―― そうなんですね。10代に人気のタピオカミルクティーが、32歳だったとは意外です(笑)。

春水堂の魅力は、落ち着いたインテリアや心地よいサービス。日本の店舗でもそのこだわりは生かされている
春水堂の魅力は、落ち着いたインテリアや心地よいサービス。日本の店舗でもそのこだわりは生かされている