好きが高じて中国茶の国家資格を取得
木川 さらにさかのぼれば、中国茶にいろいろなものを入れて飲む習慣は昔からあり、クコの実や穀類などを入れて薬膳として飲んでいたようです。もともと私は、学生時代に文化人類学を専攻していたので、異文化の習慣やルーツをたどるのが大好きなんですね。
その後も台湾を訪れてはお茶を楽しんでいたのですが、2009年に台湾を車で一周したとき、田舎の小さなティースタンドで飲んだフレーバーティーのおいしさにあらためて感激。そこから「お茶熱」がさらに高まり、中国のお茶の国家資格「中国茶中級茶藝師」「中国茶中級評茶員」を取りました。茶藝師は、お茶をきれいにおいしくいれることができる資格。評茶員は、お茶のクオリティーが判別できる資格で、日本酒でいう利き酒師のような感じですね。
―― 2013年にコンサルタントを辞めて、現在の会社に転職されました。どういった経緯で「春水堂」の日本進出に関わることになったのでしょうか。
木川 「春水堂の海外1号店が代官山にオープンする」という噂を聞き、調べたところ、弊社ホールディングスの代表である関谷有三がライセンスを契約したと知りました。ずっと大好きでこれほどほれ込んでいる春水堂の魅力を私の手で伝えたい。そう思ってFacebookで関谷にコンタクトしたところ、「それなら一緒にやる?」と思いがけないオファーを受けたんです。驚きましたが、「やらないと絶対に後悔する」と思い、「やります!」と即答。そこから、私の人生が大きく動き出しました。
―― 次回はブランドを大切に育てていく、経営のお話を伺います。
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取材・文/西尾英子 写真/鈴木愛子