ARIA世代 私の「働く使命」
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きょうのARIA代表
20世紀フォックス映画マーケティング本部長 星野有香さん(51歳)

「フレディ・マーキュリー」の人生を世に広めるということ
―― 累計動員860万、累計興行収入は120億円を突破し、2018年の映画興行収入ランキング1位を記録。ARIA世代の心もグッとつかんだ大ヒット映画『ボヘミアン・ラプソディ』の宣伝を統括していましたね。
星野有香さん(以下、敬称略) 2018年2月、50歳で20世紀フォックス映画(以下、フォックス)にマーケティング本部長として着任してすぐ、大ヒットとなった『グレイテスト・ショーマン』と同じくらいの可能性を秘めた秋の大作という位置付けでした。私は、仕事に大事なのは「ファーストインパクト」だと思っているんです。転職してすぐに大きな成果を残せてホッとしています。
―― 29歳からのおよそ20年間、ずっと映画宣伝に携わっています。星野さんの「働く使命」はなんですか?
星野 難しい質問ですね……。「映画を通して多様な価値観を世に広めること」でしょうか。『ボヘミアン・ラプソディ』がまさにそう。主人公のフレディ・マーキュリーはいわばマイノリティーですよね。移民でありゲイであり、家族も否定してパフォーマーになる決意で生き抜いた。私は日本の男性優位な社会においては、女性もまだマイノリティーだと思っているんです。だからフレディのような立ち位置の人に対して、女性は深いところで共感する部分がある気がします。それがあの映画の女性動員が伸び、大ヒットにつながった要因の一つだと思います。
―― 「多様な価値観を広めるため」に仕事を続けているということですね。
星野 カッコよく言うとそうですし、もちろんそれは大きな柱ですが。そもそも私がなぜずっと仕事をしているのかって考えると、たぶん仕事しかできないからなんです(笑)。家事は苦手で、料理は夫が作ってくれている。仕事をすることでしか人とつながれなくて、仕事で誰かの役に立つことでつながりが生まれている。子どももいないし、仕事がなかったら何する? っていうぐらい。そういう意味では、ワークライフバランス……のバランスってなんだっけ? という感じです。
―― 休日は何をして過ごしているのですか?
星野 実はポケモンGOブームが続いています。それが夫との唯一の共通の趣味。フォックスの韓国やシンガポールのスタッフと「フレンド」になって毎日ギフトを交換しています。あれは楽しいですね。週に1回ピラティスにも行っていますが、全く痩せません。劣化し続ける体をどうにかしなきゃと、本腰を入れて対策をしようと思っているところです。