また、「色みを確認する時にサンプルの毛束で選ぶのは避けて」と佐藤さん。「毛束で判断するのは小さなハギレを見てカーテン全体をイメージするのと同じくらい難しい。例えば、美容院内にいる人の髪を見て「あの人より明るくなる? 暗くなる?」とリアルにいる人の頭で確認するとズレを防げます。これまで染めてきて失敗がない美容院ならお任せでも問題はありませんが、初めて美容院へ行った時や色を変える時は丁寧に確認をしたほうが得策です」

【サロンで白髪を染める コツ】
◆サロンで伝える時の言葉選びを気を付ける
「白髪を隠したいのでお任せ」→NG
「白髪を目立たせないようにしたい、なじませたい。どんな方法がある?」→OK
◆色みの確認は毛束サンプルではなく、人頭の毛で!

白髪ができると腹を割って話せるチームをつくれる

 佐藤さんが「白髪はチャンス」と言うのには、もう一つ理由がある。「それは、白髪という弱みが出てくると、それまで以上に美容師さんと腹を割って話ができるようになるから」

 「白髪が気にならないデザインにしてほしい」「白髪を目立たせないまとめ髪を教えてほしい」という普段困っていることやこんなふうにしたいという要望を、遠慮せず、とにかく美容師に伝えるのだ

 「美容師さんは顧客からリクエストをされると燃えるタイプが多いんですよ。腕の見せ所ですから。もしその場でうまく解決できなくても、次に行く時までに先輩に相談したり調べたりして、解決策を見つけてくれているはずです。そうすることで美容師さんの腕はより上がり、自分にもいい仕事が提供されるようになる、という好循環が生まれます。白髪を通して、これからの自分のきれいをサポートしてくれる、チームづくりができると思ってください」

【サロンで白髪を染める コツ】
◆美容師に腹を割って白髪の悩みを打ち明け、遠慮せずリクエストする
 

取材・文/石河美穂子 写真/鈴木愛子 構成/長野洋子(日経ARIA編集部)

佐藤友美
ヘアライター・エディター
佐藤友美 日本初かつ唯一のヘア専門のライター&エディター。ファッション誌やヘアカタログなどで「髪を変えて変身する企画」で撮影したスタイル数は4万人分を超える。「美容師以上に髪の見せ方を知っている」とプロも認める存在で、美容師向けのセミナーや講演会なども多数行っている。40代からのヘアスタイル&ヘアケア情報サイト「ユニークピース」の編集長も務める。著書の『女の運命は髪で変わる』(サンマーク出版)はベストセラーに