カラートリートメントで「家で上手に染める」テク

 「カラートリートメントは徐々に染まっていくものなので、ある程度色が入るまでは毎日使ったほうがいいですね」(北川さん)。例えば、色が入るまで毎日使用し、その後は週に1~2回の使用で色をキープ。比較的時間の余裕のある週末に放置時間を15分取ったり、放置時間を3~5分にして毎日使ったりとメリハリをつけて使うのもいい。商品によって使用方法や染まり具合は異なるため、説明書は必ず読んでおこう。

 「トリートメント効果もあるので、通常のトリートメント代わりに毎日使っても問題ありません。サロンで染めた髪色の退色防止にもなります。毛先の色が抜けてパサついているときにもお勧めです」(砂川さん)

 きれいに染めるコツは、シャンプーで髪に付いた汚れや皮脂をきちんと落とし、タオルで水気をしっかり取ってから塗ること。「根元の白髪を染めるときは、手のひらにカラートリートメントを取り、白髪部分に置くようにするとしっかり塗布できます。分け目を変えながら塗ると満遍なく塗れる。その後コームで全体になじませると、よりムラなく染まります。放置時間中はシャワーキャップをしておくと、保温効果でキャップ内の温度が上がり、色素が浸透しやすくなります。ちなみに、シャンプー後に一度ドライヤーで乾かしてから使用すると、さらにしっかり染まりますよ」(北川さん)

 「小さめのブラシやコームにカラートリートメントを付けて根元からとかしてもいい。根元に多めにカラートリートメントが付いて、気になる部分もしっかり染まります」(砂川さん)

100円ショップなどで手に入る小さめのコームを使うと便利
100円ショップなどで手に入る小さめのコームを使うと便利
【白髪染めを長持ちさせるテクニック(4)】
◆カラートリートメントが定着するまでは毎日使用。以降は週に1回ペースでOK

 自宅でカラートリートメントを使って染めるとき、使うアイテムによっては、顔や首の肌が染まってしまうこともある。「プチプラのクリームを生え際などに塗ったり、色が付いても気にならないタオルを首に巻いておくと安心です。また、浴室の床や壁にあらかじめシャワーでお湯をかけておくと、付着しても取れやすい。付着して色が付いてしまったら、すぐにシャワーで流して」(北川さん)

 こうしてホームケアで乗り切った3~4カ月後、サロンに染めに行くときに気になるのが、カラートリートメントで染まった状態で行っていいのか?ということ。サロンの染料の入り方に影響は出ないのだろうか。

 「サロンで染めたカラーの変化が分かりづらいので、少なくともサロンで染める3~4日前、できれば1週間前にカラートリートメントを使うのをやめるのがオススメです」(北川さん)。また、「美容師がカラーの出方をきちんと見極められるよう、カラートリートメントを使用していることを必ず伝えたほうがいいですね。伝えないと、染料が影響し合って染まりにくかったり、髪色が変わってしまったりすることもあります。美容師と情報を共有することは、きれいへの近道ですから」(砂川さん)

【白髪染めを長持ちさせるテクニック(5)】
◆サロンに行く1週間前にはカラートリートメントの使用をやめる
田村マナ
美髪アドバイザー
これまで1万5000人以上が体験した美髪メソッドを開発。白髪や薄毛、抜け毛などに悩む幅広い年代へアドバイスを行なっている。著書に『大人の「品」は艶髪でつくられる』(ワニブックス)などがある。
砂川恵子
資生堂 ビューティークリエーションセンター ヘアメイクアップアーティスト
広告や雑誌撮影のヘアメイク、社内外向けのセミナーなどで幅広く活動するほか、商品開発や美容研究にも携わる。現在は「プリオール」を担当。サロンワークにも詳しい。
北川愛子
アンファー マーケティング本部 商品開発部 商品開発課副課長
毛髪診断士の資格も持ち、頭皮と髪の健康について詳しい。現在はスカルプDボーテのカラートリートメントを担当している。

取材・文/石河美穂子 構成/長野洋子(日経ARIA編集部)

■変更履歴
タイトルを変更しました。 [2019/12/13]