高価な美容液よりもシンプルな化粧水をたっぷり

片桐 洗顔後のスキンケアは、洗ったらすぐに水分を補う。とろみなどあまりついていない、シンプルな化粧水をたっぷり使う。たっぷり、が大切なんです。「ダブルクレンジングをやめてダブルローションを」とおすすめしています。一度化粧水を付けた後に、もう一度手のひらに化粧水を取り、肌を押さえて手の温度で浸透させるようにする。肌に吸いつくような手の感覚で「ちゃんと入ったな」とか「最近あまり入らないからスペシャルケアしようかな」とか。自分の手のセンサーが使えると、スキンケアの強みになります。その後にオイルを使うのはOKです。

 年齢が上がると知識が増えてエイジングに対する意識も高まり、余裕も出てくるので、高価な美容液のようなスペシャルケアが気になると思います。でも、たくさんアイテムを取りそろえて使っているのに肌はインナードライ、という方が本当に多い。食事で「食物繊維、ミネラル、ビタミンをしっかり取っています」と言って、たんぱく質が不足しているのと同じなんです。

 肌にとって、何が本当に重要か、の優先順位を確認しましょう。まずは水分、次に油分。その上で、さらにもう1ステージ上げたいと思うときに、美白とか、もっとハリを、というアイテムを加えてください。仕事で忙しいと思いますので、毎日のスキンケアは効果が出るものを効率的に。これで、確実に数年後の肌に差がつきます。

取材・文/大屋奈緒子(日経ARIA編集部) 写真/鈴木愛子

今回受けた美肌ドックは、初回1万円(税抜)、2回目からは5000円(税抜)。初診の場合は別途5250円(税込)が必要。

衣理クリニック表参道
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片桐衣理(かたぎりえり)
衣理クリニック表参道院長
片桐衣理(かたぎりえり) 美容皮膚科・内科医。日本内科学会・日本美容外科学会・日本抗加齢医学会評議員。自身の体験で十分な効果を確信できた治療のみ行う潔いポリシーと、豊富な臨床経験に根ざした安全かつ効果的なアプローチで、美容のプロから高く評価されている。国内外の著名人・女優・モデルからの信頼も厚いアンチエイジング治療のスペシャリスト。オリジナルコスメ「イースペシャル」も開発している。