無理して「男らしさ」を発揮する必要はない

 7年前に再婚をして、妻と一緒に暮らすようになり、僕の中の「マッチョおじさん」はおとなしくなった。あきらめてくれたのだと思う。正直言って、腕相撲以外の「男らしさ」で妻は僕をはるかに凌駕(りょうが)している。判断力、包容力、経済力などのすべてにおいてだ。だから、リーダーシップを発揮することは放棄した。僕は、ご近所付き合いや部屋の片づけなどの得意分野で頑張ればいい。そう思うと、気持ちが楽になった。

 ちなみに買い物の判断も妻のほうが格段に優れている。はやっているらしい丸首のTシャツ(白色)に、冷房が効いた室内でも羽織れる上着が買いたいな。カーディガン? ジャケット? たくさんのショップに置かれた膨大な数の商品から適切な服を選ぶ自信はまったくない。妻に選んでもらおう。

 「どんなのがいいの?」

 「こだわりはないよ。オシャレな人が着てそうな服を選んでくれい」

 「でた~、丸投げ!」

 こんな会話をしながら、機嫌よく車に乗り込む僕たち。静岡県寄りの蒲郡市から名古屋の先にある桑名市までは愛知県をほぼ横断しなければならない。

 しかし、ここは「トヨタ県」ともいえるザ・車社会。道路環境だけは異常に良いのだ。我が家から車で10分ほどで着く国道23号(バイパス道路)はそのまま伊勢湾岸自動車道(高速道路)に接続している。「湾岸長島」の出口で降りたら5分でジャズドリーム長島だ。つまり、ほとんど信号なしで行くことができる。車は便利だな。運転する気はないけれど。

デザイン、素材、値段の順にチェックして洋服を吟味してくれる妻。お任せします
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