人生には思いもよらぬことが起きるもの。肩の力を抜いて柔軟に「私の生き方」を見つけていこう――。先輩たちが半生を振り返って贈る、珠玉のメッセージ。日経WOMANの看板リレー連載を、日経ARIA読者にお届けします。米国、フィンランド、フランスなどの教育現場を訪ね、移民や難民の人々と出会った増田ユリヤさん。次々に出合う新たなテーマに、自由なスタンスで精力的に取材を続けていきます。
(1)教師とリポーター、2つの出発
(2)20代で出合った取材の原点
(3)現場での出会いが成長の糧になる ←今回はココ

2019年の前半は、フランス、イギリス、イスラエルなどへ取材に行きました。時には2週間近く不在にすることもあるので、こう見えて(笑)、家事をひと通り済ませていくようにしています。水回りはお風呂の排水溝までくまなく掃除し、シャンプーやハンドソープなども補充。自分の身支度はいつも最後です。
37歳でパスポートを取った私が、初めて海外取材へ行ったのがアメリカです。ちょうど日本国内で英語教育やインターナショナルスクールが注目されていた時期で、現地での教育に非常に関心がありました。そこで、ニューヨークに赴任していた知人の紹介で現地校を訪問。それ以降、国内外の教育の現場、特に05年からはフィンランドの公教育の取材を始めました。当時のフィンランドは、OECD(経済協力開発機構)の学習到達度調査で学力世界一。ほとんどの子供が無償の公立校に通うこの国の教育の本質を知りたくて、何度も通い詰めました。