人生には思いもよらぬことが起きるもの。肩の力を抜いて柔軟に「私の生き方」を見つけていこう――。先輩たちが半生を振り返って贈る、珠玉のメッセージ。日経WOMANの看板リレー連載を、ARIA読者にお届けします。世代・トレンド評論家、マーケティングライターの牛窪恵さんの1回目は、満たされない家庭環境から体調を崩し、勉学を続けることが困難になった学生時代、バブル景気のなかスタートしたファーストキャリアについて振り返ります。
(1)TVマンの父に振り回され高校を中退 ←今回はココ
(2)ストーカーに仕事まで奪われる
(3)経営者としても妻としても失格だった
世代・トレンド評論家、マーケティングライター

私は元旦生まれ。「生まれつきオメデタイ」と言われて育ちましたが、ひとりっ子であるがゆえに競争心が弱く、人と競うことが苦手。運動会の徒競走では、トップを走ることが多かったのに、小学3年生までは、なぜかゴール前で止まり、他の子に1番を譲っていたそうです。
学校の成績は良く、ピアノを習っていました。小学4年生で尊敬する音楽の先生と出会い、合唱団の全国コンクールで入賞を目指しました。ピアノの腕を買われ、伴奏という目立つポジションに。初めは嫌でしたが、徐々に目立つことに慣れ、徒競走でもトップを競うように。
一方で、家庭での少女時代は、父に振り回されっ放しでした。父は、テレビ局の演出家・ディレクターで、人気ドラマやトーク番組など、ヒット作を多く手がけていました。芸能人と飲み歩くなど交友関係は派手で、平日はほとんど家に帰ってこず、うちは母子家庭のようでした。