自分の時間が増え、家族やパートナーとの距離感が変化し始めるARIA世代にとっての「幸せ住まい」について、積水ハウス住生活研究所長の河崎由美子さんが解説する本連載。今回は、在宅ワークが進むこれからの時代の中で、理想的なワークライフバランスがとれる、自分らしい暮らしを実現する住まいをテーマにお話しします。
With/Afterコロナの時代、テレワークが拡大・定着へ
今年は新型コロナウイルス危機により、ワークスタイルが大きく変化。在宅でのテレワーク(在宅ワーク)の導入が一気に進みました。
緊急事態宣言解除後も、コロナとの闘いは長期戦となる見込み。また、来年開催予定の東京オリンピック期間中には、交通混雑緩和のためにテレワークが推奨されており、テレワークの波はまだまだ続くと考えられます。

また、企業も働く人々も、テレワークのメリットに気付き始めている様子。「生産性が上がった」という声が多く聞かれます。アフターコロナの社会でも、働き方改革の施策としてテレワークは定着・拡大していくと予想されています。
さて、皆さんも自宅で仕事をしてみて、さまざまなメリットを感じたのではないでしょうか。
私たち住生活研究所が行った「働き方に関する生活実態調査2017年」によると、自宅で仕事をするメリットは以下のように捉えられています。

しかし、こうしたメリットがある一方、課題もあります。「近くに家族がいると集中できない」「落ち着いてオンラインミーティングを行えるスペースを確保できない」「オン・オフの切り替えが難しい」などです。
また、「落ち着いて集中できるワークスペースがほしい」と思った方は多いのではないでしょうか。私たちの調査結果でも、以下のとおり、自宅で仕事をするための空間として「仕事専用の部屋・スペースを持ちたい」という希望が見てとれます。
