「良いシワ」を増やしていきたい
―― 大橋さんにとって、葉山とはどんな場所ですか。
大橋 葉山での暮らしは、私もそうですが、子どもたちを見ても、それぞれがやりたいことをやれる場所です。と同時に、同じ価値観のもとで子育てができる場所でもあります。
少しでも人と違う存在とか個性って、時として悪目立ちしてしまうことがあると思いますが、ここではそういった煩わしさがありません。また、リラックスした日常のなかに、地域に根付いたカルチャーといった、文化的なすてきさも共存している街ですね。
―― ひとりの女性として、今後はどんな人生を描いていますか。
大橋 女性が働くということについては、悩ましいところがたくさんありますが、これからの時代は、いろんな働き方があって良いと思います。振り返ってみると私自身、その時々のライフスタイルにあった仕事の仕方を選んできたように思います。自分の感覚に正直にやってきたら、いつの間にかここにいた、という(笑)。
そもそも現代は、生活と仕事が乖離しすぎているんじゃないかなと思うんです。仕事と家庭、コミュニティの3つが存在することで、エネルギーを均等に振り分けられると感じていて、どれかが極端に負担になってもうまくいきません。幸いなことに今の私は、この3つがうまくバランスを保てているんじゃないかな。
最近は都内に行く仕事をかなり絞っていて、地元で過ごす時間を増やしました。今後は衣食住、働くの全てを地元で賄えるような形を作っていきたいと考えています。
働いてもらう受け皿をつくっていきたいですし、小さな金額でも地元に落としていけるような仕組みをつくることができたらな、とも考えています。また、ふらりと海外へ行くかもしれませんが、軸は葉山に置き続けたいですね。
アロマセラピスト、アロマスペースデザイナー

取材・文/富岡麻美 写真/井島健至