ハワイで小澤さんに話しかけた息子 返ってきた言葉は…
ニューヨークに赴任していた1995年と96年、家族で夏にタングルウッド音楽祭のコンサートを聴きに行ったんですね。そのとき僕が小澤さんにサインをもらっていたら、当時3歳くらいだった息子も小澤さんと握手して一緒に写真を撮りました。
その後息子はクラシック音楽には特に興味を持たず育ったのですが、ずいぶん前に正月の家族旅行でハワイに行ったら、小澤さんもご家族でいらっしゃっていたんですよ。そうしたら大学生になった息子が、デパートで見かけた小澤さんのところへ近づいて、「小澤さん、ご無沙汰しています」って言ったんです(笑)。息子からしたら、子どものときに会っているから確かに間違ってはいない。で、それに対して小澤さんはなんて返してくれたと思いますか? 「おう、ご無沙汰! 元気か?」って。本当に人を引きつける、垣根のない人なんです。
世界的指揮者として近寄りがたい雰囲気を出していても不思議ではないのに、そういうことが全くない。だからこそ彼はみんなに好かれるのだと思うし、そういうパーソナル・インティマシーは、ビジネスの世界でグローバルに仕事をする上でも、重要な要素ではないかと思っています。
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取材・文/谷口絵美(日経ARIA編集部) 写真/鈴木愛子
平井康文(ひらい やすふみ)
楽天副社長執行役員 CIO & CISO
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