ファシリテーターもカリスマ性のある先生でしたし、なによりも私たちが大事にしている企業理念と日本航空の共通言語である「JALフィロソフィ」を基にオーダーメードで研修を組み立ててくれる点が決め手になりました。現状の課題と企業理念、JALフィロソフィを踏まえた上で研修内容を提案してもらい、「自律型リーダー研修」が出来上がりました。

 JALグループの企業理念には冒頭に「全社員の物心両面の幸福を追求する」という一文があります。自分の幸福だけ追求するのではなく、一人ひとりがみんな(全社員)の幸福を追求しなければいけない、という意味が込められています。今回の研修も、何か起こったときに自分は何ができるかを考え、ピンチを自分の出番にする、ということが訓練できる内容になっています。

JALグループ企業理念の冒頭一文「幸福の追求」は、社員一人ひとりがみんな(全社員)の幸福を追求することがポイント
JALグループ企業理念の冒頭一文「幸福の追求」は、社員一人ひとりがみんな(全社員)の幸福を追求することがポイント

「理想のリーダー像」と「自分のポリシー10カ条」

家成 研修は、客室本部に所属する管理職約250人を対象に、2018年10月から2019年3月までの間に全3回のコースとして行いました。1回目は丸1日、2回目と3回目は半日の集合型の研修です。

 研修の最初にするのが、「あなたが会社に対して期待していること」と「あなたが会社に対して貢献できること、支援できること」を考えるワークです。例えば、賃金を上げほしい、待遇をよくしてほしい、という会社に対する期待があったとします。そのときに、では待遇をよくするために自分は何ができるのか、ということを考えます。誰かに期待するのではなく「自分の出番にするチャンス」という気付きになりました。講師が話した「チャーンス!」というワードは、研修を受けた人たちの合言葉になっているのですよ(笑)。

 ほかにも「理想のリーダー像」や「自分のポリシー10カ条」を記入するワークもあります。自分で書くことによって意識できるようになります。忘れない努力をすることが大切なので、私は小さな紙に「自分のポリシー10カ条」を書いて持ち歩き、たまに見て振り返るようにしています。