蓋を開けてみなきゃ、人にはどんな悩みがあるのか分からない。笑顔でステキなあのARIAさんも、40~50年も生きてりゃ悩みの1つや2つありますよね。さて、今日はどんなお悩みが出てくるのでしょうか――。今回は、ずっとなりたいと思っていた看護師に今からなれるだろうかという44歳の女性に、看護師僧侶の玉置妙憂さんが回答します。

回答者:玉置妙憂さん(看護師僧侶)
「人の助けになる」とはどういうことか
なれるかどうかということであれば、なれますよ。人生、やりたいことを始めるのに遅すぎることはありません。
私の周囲には60歳で看護師になった人がいます。働き口もすぐに決まったそうです。病院や診療所だけでなく、一般企業の医務室や教育機関の保健室、介護老人福祉施設や訪問介護ステーションなど看護師の就業場所は幅広く、経済的な側面からは魅力的と言えると思います。
ただ、「多くの人の助けになる」ってどういうことなのか、少し自問自答していただきたいなと感じました。
もし、まる美さんがドラマのワンシーンのように、「患者さんが看護師の手を握って『ありがとう』とつぶやき、穏やかな最期を迎える」みたいな場面をイメージしていらっしゃるのでしたら、一言申し上げたい。現場でそんなシーンはないですよ(笑)。
看護師の日々の仕事にドラマティックなことはそれほどない。感謝されることもあまりないし、感謝どころか苦情を言われることも多々あります。だって看護師は助けるのが当たり前ですから。その仕事が人助けになるかという判断や評価を、自分の外に求めるのは厳しいことなのです。