執着せずピボット(方向転換)を繰り返す
長く残る企業というのは、企業経営での方向展開を意味する「ピボット」を大切にしています。
トヨタは、布を織るための動力織機の会社から産業の発達とともに自動車会社となり、現在ではモビリティカンパニーを名乗るようになっています。アマゾンも本のオンライン販売からスタートして、現在ではあらゆるものを売り、さらにはクラウドサービスのAWS(アマゾン・ウェブ・サービス)も手掛けています。
最近の話題である「アップルカード」をアップルと一緒に作ったのはゴールドマン・サックスです。同社は投資銀行といった従来の金融分野だけでなく、フィンテック系の企業を買収するなどして、新しい動きを見せています。
このように、既存の産業に執着せず、ピボットを繰り返すことがこれからの企業が生き残る条件なのです。

取材・文/阿部祐子 写真/PIXTA