親が元気なうちにしておきたいのが「お墓」の対策です。交通の便の悪い田舎の墓地では、継承者のいないお墓が雑草に埋もれ、荒れ果てていることも少なくありません。そんななか、お墓を撤去する「墓じまい」をする人が増えています。葬儀・お墓・介護など終活を取材してきた旦木瑞穂さんが、墓じまいの実態を4回に分けてリポートします。
墓じまいの理由は「お墓が遠い」がトップ
ここ数年、お墓を手放す「墓じまい」をする人が後を絶たない。理由は人それぞれだが、「遠距離なので墓参りなどが思うようにできない」「継承者がいない」「子どもや他の家族にお墓の面倒をかけたくない」といった意見が多い。人口が多い団塊の世代が70代になり、本来なら子の世代、40~50代がお墓を引き継ぐところだが、遠距離を理由に継承を拒み、墓じまいに至ることも少なくない。

今までのお墓を手放す人が増えている(写真提供:まごころ価格ドットコム)