40代からの人生を変えた挑戦
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日本ワインの産地と言えば山梨や長野が有名ですが、実は東京都内にもワイナリーがあります。2017年に誕生した東京・御徒町の「葡蔵人(ブックロード)」もそんな都市型ワイナリーの一つ。10坪ほどの小さな醸造所でワイン造りに励むのが須合美智子さん(50歳)です。飲食店のパートスタッフだった須合さんがゼロからワイン造りの世界に飛び込んだのは45歳のとき。お話を聞くうちに、小柄でおっとりした雰囲気からは想像もつかない行動力が明らかに!
ワイナリーを始めると聞き、「楽しそう、やってみたい」
―― ブックロードは東京で4番目にできた、現在のところ一番新しいワイナリーですね。都内ではまだまだ珍しいワイン造りに挑戦されたということは、もともとワインがかなりお好きだったのでしょうか。
須合美智子さん(以下、敬称略) いえ、それが……。友達とお酒を飲みに行ったりすることは楽しんできましたが、ことさらワインが好きということでもなく、ましてや「自分で造る」なんて思いもしませんでした。
ブックロードは、飲食店を何店舗か手掛けている会社が新規事業として始めたのですが、私はもともとその飲食店の常連客でした。以前は社長もお店に出ていて、あるとき私と友人が飲んでいるところへ来て「別の店舗でランチ営業を手伝ってくれる人を探しているんだけど、誰かいないかな」と話しかけてきて。そうしたら友達が「あなた行けば? 社長、この人暇ですよ!」って(笑)。
私は23歳で結婚してからずっと、夫の実家の家業である中華料理店で働いてきました。だから接客には苦手意識もないですし、2人の子どもも大きくなっていたので、その話を受けることにしました。
ランチ営業の他にも新店舗の立ち上げを手伝うなどいろいろしましたが、立場としてはずっとパートスタッフです。そうして数年たったあるとき、何かのタイミングで会社がワイナリーを始めようとしていることを知ったんです。純粋に「それ、楽しそうだな」と興味が湧いて、「やってみたいです」と社長に伝えました。
―― 須合さんの申し出に対し、社長はどんな反応を?