完璧なリーダーはいらない 強いチームのつくり方
理想はコミュニケーション巧者。そうはいっても…
言った通りに動かない部下にウンザリしたり、成果が出ない部下にイライラしたり……。実はそれ、部下の問題ではなく、リーダーであるあなたが部下を生かし切れていないだけかもしれません。「人が育たない組織の根底にあるのは、コミュニケーション不足、あるいは思い込みや勘違いによる誤ったコミュニケーションです」と話すのは、コミュニケーションについての研修や講演を多数行う沖本るり子さん。
今回、日経ARIA読者の女性リーダー248人に行ったアンケートからも浮かび上がった理想のリーダー像は、「コミュニケーションを取るのがうまい」こと。とはいえ、「分かっちゃいるけど、それができないんだって!」とお嘆きの人も多いはず。「リーダーがコミュニケーションスキルを磨くことで、どんな部下も期待以上に動き、成果を出すことができます」と言い切る沖本さんに、個性豊かな部下を束ね、強いチームをつくるためにリーダーが心得るべき秘策を聞きました。さらに「リーダーから部下にかけたい言葉」を沖本さんが厳選。今日からすぐに活用できます!

聞き手は、自己流に解釈するもの
―― 組織のメンバーと円滑にコミュニケーションを取るために、まずリーダーが心掛けるべきことはなんでしょうか。
沖本るり子さん(以下、敬称略) 真っ先に挙げたいのは 「部下の聞く力を過信しない」ということです。 私の元には、リーダーや管理職の方からコミュニケーションに関する多くの相談が寄せられますが、最も多いのは「言ったつもり」の人や「伝えたはず」と思い込んでいる人。「つもり」は、残念ながらあなたの「つもり」でしかない。部下の聞く力に期待をしすぎてはいけません。聞き手は自分の聞きたいように聞き、都合のいいように解釈をしてしまうため、相手に「こちらの指示や思惑通りに聞いてもらう」工夫をする必要があるのです。
そもそも、「発信のレベル」は次ページのように5段階に分かれています。
