私たち 社会活動 始めました
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5不妊の当事者441人から寄せられた声が背中を押した
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6ARIA読者を待つ! NPO代表から激アツメッセージ
日経ARIAの人気連載「小島慶子のARIAな一歩」でもおなじみの小島慶子さんは、30代半ばから社会活動を身近に感じるようになったといいます。今回、小島さんと、日本の貧困家庭の子どもへ学習支援を行っているNPO法人キッズドアの渡辺由美子理事長がリモートで対談。ソーシャルセクターとの出合いで広がる新しい世界や、ARIA世代が社会活動に参加する意義についてお話を聞きました。2回に分けてお届けします。
私たちはなぜ社会活動に関心を持つようになったか
―― 小島さんはキッズドアのアドバイザーを務めていらっしゃるそうですね。どんな経緯で団体のことを知ったのでしょうか。
小島慶子さん(以下、敬称略) たまたま友人たちがNPO代表やソーシャル系のPRなどをしていて、その中の一人に由美子さんを紹介されたのがきっかけです。それでお話を聞いてすごく共感して、アドバイザーをお引き受けしました。ただ、私が日本とオーストラリアを行ったり来たりの生活なので、なかなか会合にも参加できなくて。
渡辺由美子さん(以下、敬称略) 私たちとしては小島さんのような方がアドバイザーとして参加を表明してくださるだけでもすごくありがたいんです。団体としての信用度も上がりますし、署名活動なども、発信力のある小島さんがツイッターで広めてくださると、その後でどっと反響があります。
―― 初めに、お二人が社会活動を意識するようになったきっかけを教えてください。
小島 これはぜひ由美子さんのお話から伺いたいです!
渡辺 私はいわゆるバブル世代で、大学を卒業して百貨店で販売促進などの仕事をしていました。割と楽しい現場で毎日充実していましたが、当時女性は出産のタイミングで仕事を辞める人がほとんど。私も結婚してそろそろ子どもをと思い、30歳くらいのときに一旦正社員を辞めて、フリーランスのマーケティングプランナーになりました。こう言うとかっこいいですが、ほぼ9割が子育て。仕事は依頼があったものを細々とやる感じで、そのときに初めて社会と断絶されたような孤独感を覚えました。
その後長男6歳、次男3歳のときに、夫の仕事の関係で1年間英国に行くことになったのですが、驚いたことに長男が入学した現地の公立小学校では一度も集金がありませんでした。日本だと公立でも給食費とか教材費とか、それなりにお金はかかりますよね。英国では家庭の経済状況にかかわらず、学校は誰もが何の心配もなく通えるようなしくみができていたんです。