コロナ・ショックの現在、その先の未来 ~今、リーダーがすべきことは?~
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2出口治明 コロナ不安を乗り越えるための大人の読書
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15危機の時こそ丁寧なコミュニケーションが絆を強める
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16テレワークうつ、Zoomで情報漏洩…救うのはAIか?
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17藻谷浩介 テレビが語らないコロナの話 正しい情報は?
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18緊急事態宣言の解除 その後何が起きる? 藻谷浩介
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19コロナ後のリーダーに求められる「根拠と説明」 松本大
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21若年層や女性にも迫るホームレス問題 ピークはこれから
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25会社存続の危機に生き生きしている自分がいる 加藤史子
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26国立新美術館長「コロナ後の世界にこそ、アートが必要」←今回はココ
「予想外の変化球」が背中に当たって館長就任
―― 横浜美術館館長を11年間務め、「横浜美術館といえば逢坂館長」というイメージでしたが、2020年4月から国立新美術館の館長に専任。まさかの転身にとても驚きました。
逢坂恵理子(以下、敬称略) 2020年の3月に横浜美術館館長を退任したら、引退するつもりでした。私、今年で70歳なんですよ(笑)。少し自由の身になりたいと思っていたんです。全く予想外の変化球が背中に当たったという感じです。
―― 引退するつもりが、なぜ、さらなる重責を担うことに?
逢坂 そもそも、私はしっかりとキャリアプランを立てたことがありません。「美術界で学芸員の仕事を継続できるのは、ありがたいこと」という思いが強かったのです。なぜなら、私が公立美術館(水戸芸術館現代美術センター)の学芸員になれたのは43歳のとき。高校生で「学芸員になりたい」と思って大学も美術史を専攻したのに、助走期間が非常に長かったんです。
だからこそ、常に「目の前の仕事にできる限り全力投球をする」という思いでやってきました。自分のゴールは館長だなんて思ったことは全くなかったですが、常に予想外のところから声がかかって。美術界への最後のご奉公だと、老骨にむち打って受けたんです(笑)。でも、まさかの新型コロナウイルス感染問題が起きて……もう、大変です。
―― 国立新美術館が臨時休館する際のメッセージ「芸術活動は世界や人間への理解を深め、他者や異なる価値観との共存、多様性を受け入れる視点への気づきを与えてくれるものです。世界規模の非常事態をともに乗り越えるためにも芸術の力は決して小さくありません」が印象的でした。
逢坂 新型コロナウイルス感染予防のために、テレワークに移行された方も多いと思います。現場に行かなくても遠隔でのやり取りでいろいろな仕事が行われるようになりました。世の中がドラスチックに変わっていく中で、今後、私はますます美術が必要になると思っています。