ARIA世代で今「学び直し」ブームが起こっています。人生の中央地点で自分軸を見つめ直すため、今後の人生を大胆に展開させるため――10代や20代とは違う、経験を重ねた大人だからこそ見える「学び」の地平とは? 人生を懸けた学びに挑むARIA世代の実例と、大人の学び直しを成功させるノウハウをお届けします。
ARIA世代 人生を懸けた大人の学び直し
ARIA世代 人生を懸けた大人の学び直し
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「大人の学びのトラップ」にハマらない成功事例
今回からは、立教大学経営学部 中原淳教授が言う「大人の学びのトラップ」を軽やかに飛び越え、今や避けて通ることができない「大人の学び直し」を成功させた3人の実例を紹介していく。
漁業の盛んな三重県鳥羽市に20代でUターンし、もともと従事していたのは観光業。次第に、地域の中で漁業と観光業とを融合・共存させたい、という思いから文系大学卒でありながら、いきなり理系の大学院に挑戦したのが一人目の実例、オズ代表取締役・伊勢志摩国立公園エコツーリズム推進協議会会長の江崎貴久さんだ。
文系なのに理系に挑戦、とはいかにも「無謀で危険な賭け」に聞こえるが、軸足はあくまでもどっしりと観光業に置いたまま挑戦をしているのが、江崎さんの成功ポイント。これまで築いてきた自分の価値を落とすことなく新しいチャレンジをする、まさに「ピボット理論」を実践している。
江崎さんが選んだ大学院への挑戦は中原教授が分類するなかで最もコストも時間もかかり、難易度の高い「フォーマルな学び」の道。しかし、意中の先生の下でみっちり学んで学位を得るという、自分の目的を最短コースでかなえた事例と言えるだろう。修士課程を修了した現在、より広範囲で影響力を持って仕事をするため、博士号の取得に向かって研さんを重ねている江崎さん。「40代で修士号、博士号取得」という、聞いただけで尻込みしてしまう江崎さんのケースから私たちが学べることとは?