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ソニーグループ一筋で32年。役職定年を迎え、会社に愛着がありながらも「これから先、ここで自分が生き生きと働く姿が想像できなかった」「全く新しいことに挑戦したい」と、2021年冬に大手人材会社に転職した青井千穂さん(54歳)。青井さんが選んだのは、キャリアコンサルタントとして歩む新たな道。経験ゼロからの大胆なキャリアチェンジに挑み、転職できた理由とは?
「役職定年」が視野に入って考えたこと
編集部(以下、略) 新卒でソニーに入社。38歳でソニーマーケティングに転籍して54歳まで勤めた会社を辞めた理由は何ですか?
青井千穂さん(以下、青井) ソニーマーケティングは、課長職の役職定年が53歳。50歳を迎える頃から、「2020年の役職定年」が視野に入ってきました。その先の道は、マネジメント職から離れて働くか、退社をして他の道を探すかという2択です。それなら、退社して全く別のことに挑戦をしたいと思っていました。
正直なところ、この先、ずっと同じ会社で生き生きと働く自分の姿が思い描けませんでした。それに、「自分がMAXのパフォーマンスを出せるのか?」という思いもあって。もう一度現場に戻って、例えば10年前に自分がバリバリ働いていた頃と同じような成果は出せないだろうなと。そういう自分は悲しい、と思う部分もありました。それだったら、違うことにゼロから挑戦をしたい。本当にいい会社でしたし、転職したら条件も下がると分かっていましたが、転職を躊躇(ちゅうちょ)することは一度もなかったですね。
ですが、明確に「これがやりたい」という仕事があったわけではありません。役職定年があと半年に迫ってきたとき、社内に設置されていたキャリア相談室に相談に行きました。「会社を辞めて別のことをやってみたいんですけど」という、すごく漠然とした相談をしたんです。相談員の方に「どういう仕事をしたいのですか?」と聞かれ、「人と関わる仕事がしたい」と答えたのを覚えています。でも、そんな仕事は山のようにあるわけで(笑)。たまたまその方が「私がやっているような、キャリアコンサルタントという仕事がありますよ」と教えてくれました。カウンセリングにはずっと興味を持っていて、直観的にそれは面白そうと思いました。
青井 実は、それまでキャリアコンサルタントについて全く知りませんでした。まずは資格を取るために学校に通う必要があると聞き、1週間後には体験授業に行きました。その授業がすごく面白くて一気にのめり込み、「この道で行こう」と決意。キャリアコンサルタントについて知ったのが2019年の10月。11月には資格取得のための学校に入学して平日は自宅でeラーニングを受講し、土曜はスクーリング。20年12月に「国家資格キャリアコンサルタント」を取りました。(※8月に資格取得予定だったが、新型コロナの影響で試験が延期に)
―― キャリアコンサルタントは、これまでの青井さんのキャリアからはだいぶ離れた仕事ですよね?