地元コミュニティの築き方
地元コミュニティで一番身近なのは自治会、町内会だろう。しかし、負担が大きいのではと敬遠する人が増えているという。それでもやはり加入したほうがよいのか、自治会活動を楽しむコツはあるのか、地域活性化コンサルタントの水津陽子さんに話を聞いた。
相手の苦手分野を「手伝いましょうか」で関係づくり
編集部(以下、略) 近年、「面倒そうだから」と、自治会や町内会への加入率が減っていると聞きます。
水津陽子さん(以下、水津) 確かに、自治会には役を押しつけられるイメージがありますよね。どうしても合わないのに無理に加入する必要はないと思っています。ただ、自治会によって運営の仕方はさまざま。面倒な自治会ばかりではないので、防災訓練などイベントに参加してみて雰囲気を探ってみるといいですよ。
コロナ禍で多くの自治会が活動を休止しています。ICT(情報通信技術)に苦手意識の強い自治会が多いのですが、オンラインで役員会を開催しなきゃという空気もあるので、テレワークで日中に地域にいるICTに詳しい人に、アドバイスをもらうケースも出てきています。
自治会役員の人たちが苦手な分野に「都合がつくときにお手伝いしましょうか」と入っていくと、頼りにされて対等な立場でスムーズになじめる場合もありますよ。負担のない範囲で貢献するところからでよいと思います。
自治会側も助けてほしいと思っていても、昔ながらのやり方しか知らないケースもあるので、「こんな形でならお手伝いできますよ」と提案してみると喜ばれることも。最初から面倒だからと避けるのではなく、きっかけを探してみてください。
災害時に自宅避難になるマンション、「つながり」を持ちたい
集合住宅の場合、分譲か賃貸なのかで状況が違います。分譲の所有者による管理組合はありますが、コミュニティとしての機能がないところもあって、賃貸の場合は入っていけません。
災害時、マンションの人は自宅避難になることが多いので、マンションの中でのつながりがあると情報が得られて、本当はいいですよね。マンションによって、居住者のコミュニティが盛んなところもあります。自治体によってはマンションの管理組合を自治会同様の組織と位置付ける制度を設けて行政からの情報を得やすくなっているところもあります。自分のためにつながりを持っておきたいところです。
東京都立川市に、自治会活動の盛んな大規模団地があるので、話を聞いてみてはいかがですか? 1人の女性が大改革をやって、今の形をつくったんですよ。
―― 大規模団地で自治会大改革ですか? それは興味深い。ぜひ行ってみます!