キャリアの夏休み
-
1「一旦退職」して2年、65歳以降も働く未来を考えた
-
2ワーママはる 2年間の「戦略的休暇」で人生が激変した
-
3フルタイム卒業宣言!前社長が気づいた「やるべきこと」
-
4ガラパゴスで働き方を見直した3カ月 ヤフーの休暇制度←今回はココ
-
5自分の「変身資産」を棚卸し 80歳まで現役計画を描く
有名企業が取り入れだした長期休暇制度
自らの働き方を見直す機会になる長期休暇を制度として導入する企業が少しずつ増えています。2010年代からヤフー、ソニーなど有名企業が取り入れ始め、21年には全日本空輸(ANA)が最長2年間取得できるサバティカル休暇制度を導入して話題になりました。それぞれ名称は違うものの、長期休暇の取得を認めています。
「サバティカル休暇のおかげで、自分をリセットできた」と話すのはヤフーPD統括本部オフィス・経営支援本部業務運用支援部の柴田絵里さん。18年、3カ月間の休暇を取得し、ガラパゴス諸島で環境ボランティアに参加しました。
柴田さんがサバティカル休暇を取得したいと考え始めたのは、40歳になるタイミング。「勤続10年を迎え、一度リセットして働き方を見直したいと思っていた時期でした。長く仕事をしていると、どうしても自分にひも付く属人的な仕事が増えてきて、その仕事は自分でなければできないと執着している自分もいた。それを一度、引き剥がしたいと思って。休暇制度が何かのいいきっかけになればと考えました」。とはいえ、その時点では具体的にどこで何をするかは決まっていませんでした。
「好きなことを仕事にできなかった」というモヤモヤ
もう1つ、柴田さんにはキャリアの始まりから抱えていたモヤモヤがあったといいます。「大学時代に米国で環境学を学んでいたので、卒業後は現地で環境関係の仕事に就きたいと考えていました。でも、卒業の年に同時多発テロがあり、米国での就職はかなわなかった」。帰国後は音楽事務所に就職し、IT関連の企業を経て、ヤフーに入社し、主に管理部門で仕事をしてきました。「仕事に不満はなく、常に全力で取り組んできましたが、好きなことを仕事にできなかったという思いはずっと根底にありました」
海外に短期留学して学び直そうかと考えていたとき、ガラパゴス諸島でのボランティア活動参加者の募集を発見し、「やりたかったのはこれだ!」と直感。上司に伝えると、「ガラパゴス?!」と驚かれはしたものの、休暇中の業務引き継ぎなどはトラブルなく進みました。