レジリエンスの鍛え方
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6レジリエンスが高い組織の共通点「ブリコラージュ」とは
2019年11月に、約1年半の間、生活を共にした女性とのパートナーシップを解消した経済評論家の勝間和代さん。そのことを報告したメルマガは、「この内容を書いているだけでも、涙が止まらなくなってきてしまっています」という文面が前半に。しかしながら、結びは「次の恋愛もパートナーシップもあきらめていませんので、またみなさまに楽しい姿を見せられる日がきっとあると思っています。パンセクシュアルな私ですから、チャンスに溢れているはずです」という文面。……もうしっかり前を向いている! と感嘆する人も多いのではないでしょうか。
その言葉通り、日を追うごとに本来の明るさを取り戻し、精力的にYouTube動画の配信や新刊の執筆を行う勝間さん。いわば「公開失恋」からいったい、どのように心の回復を図り、前進する力に変えたのでしょうか。勝間流のレジリエンスについて聞きました。
心に留まった「違和感」はすべてメモする
「実は、メルマガの文頭で『涙が止まらない』うんぬんと書いたのは、相手から別れを告げられた翌日。文末の『チャンスに溢れているはず』あたりは、数日後に書いたものでした。それを一つのメルマガにまとめて、失恋からおよそ2週間後に配信しましたが、いずれもそのときの本心です。
生涯のパートナーと思っていた相手から、いきなり『他に好きな人ができた』と別れを告げられて、ショックを受けないわけはなく……。一方的にフラれるのは初めても同然でしたし。交際当初のような熱はなかったとはいえ、ちゃんと責任を持って付き合っていましたからね。ショック状態のまま、親友に電話したことを覚えています」
その親友も、その次に連絡した何でも話し合える10人の仲間からも「それはもう、別れなさい」と言われ……友人からの愛のムチを連続で食らい、これは渋々別れを受け入れるのではなく、進んで別れを受け入れたほうがいいってことなのか?――とわれに返る糸口になったという。するとぼんやりと、「そう言えばあのとき、なんかおかしいなと思ったなぁ」と過去の記憶が呼び覚まされ、勝間さんはその日、一睡もできなかった。
「例えば、二人である人に会いに行ったとき、私はすごくいい人だと思ったのに、元パートナーは全く逆の評価で、こんなにも人の見方が違うのか、と思ったこと。他にも暮らしを共にする中で、いくつかの違和感を覚えることがあったんです。私の癖なんですが、そういうことを何でもメモアプリのGoogle Keepに記録していて。そのメモを見返しながら一睡もせずに、駄目になった原因について『仮説』を立てては『検証』したんです」