レジリエンスの鍛え方
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6レジリエンスが高い組織の共通点「ブリコラージュ」とは
ジャパネットたかた創業者で、サッカーチーム「V・ファーレン長崎」の経営にも携わってきた高田明さん。約40年間の経営者人生で数々の試練を乗り越え、事業を成長させてきた高田さんの折れない心とは? 高田流レジリエンスの高め方を聞きました。
私はジャパネットの経営に長い間携わってきましたが、決して順風満帆だったわけではありません。山あり谷あり、大変な時期も経験しました。
創業当時、長崎県佐世保市の写真店だった時代は、記念写真の撮影とプリントに忙しくて1日の睡眠時間が2、3時間という日が続き、過労がたたって急性肝炎で入院しました。また、年商の3分の1を占める大口顧客から突然契約を打ち切られたこともあります。
90年代にテレビ通販が軌道に乗り、2001年、20億円を投じて収録用の自社スタジオを建設する際は、周りに猛反対されました。「一人も技術者がいないのに無謀」と言われて、成功すると思った人はいませんでした。
2011年から売り上げ急落。取った対策は…
04年には個人情報の流出問題が発生。2カ月もの間、休業しました(詳細は「今こそ、リーダーに求められる『伝える力』 高田 明」)。そして11年、最大の危機が訪れます。地上アナログ放送の終了と、政府が推進してきた「家電エコポイント」の終了に伴い、それまで売り上げをけん引していたテレビが全く売れなくなり、かつてない大幅な売り上げ減を経験したのです。
ジャパネットは10年に、地上デジタル放送対応テレビの駆け込み需要も手伝い、売り上げ1759億円、経常利益136億円と過去最高益を記録しました。しかし、それをピークに需要が急減。わずか2年で売り上げが600億円も落ち込み、経常利益は136億円から73億円まで減りました。