心と体のセルフケア
-
1テレワーク明け鬱には「あえて無駄なことを楽しむ」
-
2朝4時に目覚める、眠れない…良い眠りを取り戻すには
-
3コロナ禍で注目! 免疫力を上げるビタミンDを医師が解説
-
4腸に夢中な元Jリーガー 「うんちのPDCAを回そう」←今回はココ
-
5幸福学 ウィズコロナの不安な時代に必要な3つの心得
-
6呼吸法でストレスに強くなる 仕事の合間に【動画】
コロナの感染不安やストレス、運動不足などが長引き、おなかの調子が悪くなったという人もいるのではないでしょうか。普段からお通じの悩みを抱えている方にとっては、なおさらつらいでしょう。おなか、つまり腸内環境は、免疫力はもちろん、メンタルにも大きく関わっているといわれています。今回は、アスリートの腸内環境の解析を手掛けるスタートアップ企業、AuB(オーブ)の代表で元Jリーガーの鈴木啓太さんに、腸を整えることの大切さ、現在までに分かってきたことや自身の心掛けについて聞きました。
Jリーグ引退後、すぐにヘルスケア分野で起業家に
―― プロサッカー選手を引退した直後から、アスリートの腸内環境を調べて、腸から健康を支える事業で起業家になりましたね。なぜアスリートの、しかも腸内環境に着目したのですか?
鈴木啓太さん(以下、敬称略) アスリートは、100%のコンディショニングでトレーニングを続けることで、ようやく1mm、0.1秒の記録の伸びがあるという世界で闘っています。良いコンディションを維持することが、パフォーマンスを上げるための一番の近道になります。そのため、休息、睡眠、食事の量や栄養バランス、メンタル管理などをストイックに、高いレベルで管理しています。常に体のコンディションをベストに保っているのです。
そんな彼らのコンディション管理は、一般のビジネスパーソンが仕事でパフォーマンスを上げるのにも役立つはずだと僕は考えています。多くの人がもっと本気で健康管理に取り組めば、60歳、65歳になっても快適に働けるから、個人にとっては生涯賃金が増えますよね。企業は業績が良くなるし、国レベルでは年金や国民健康保険の財政が改善すると考えられる。いいことずくめです。
「健康経営」をテーマに経営者の方とお話をさせていただく機会もあるのですが、言葉のイメージだけが独り歩きしていて、本気で健康管理に取り組んでいる企業はまだ少ないと感じます。
一人目はラグビーの松島幸太朗選手、700人のアスリートの腸内細菌を調べた
鈴木 そして、なぜ腸内細菌なのか。単純に「面白いからやりたい」「絶対、世の中にあったほうがいい」と思ったからです。
アスリートは筋肉量を増やすために、栄養面や食べる量については以前から注意を払っていましたが、どうやらそれだけではないと気づいてきた。同じ量を食べても、太る選手もいれば、やせる選手もいるわけです。僕は体重が増やせないタイプでした。
口から入れる食事の量や栄養をコントロールしても、人によって体に取り入れる能力が違うんですね。その能力に関わっているのが腸であり、腸内環境です。栄養士やアスリートの中でも、体に関する感度の高い人たちは、腸に何か秘密があるんじゃないかと感じ始めています。
―― これまでにトップアスリート700人の腸内環境を調べたと伺いました。実際に便を提供してもらったのですか?
鈴木 そうです。一人目はラグビー日本代表の松島幸太朗選手でした。この事業を始めようという時期に、たまたま一緒に食事をしたのが松島選手で、「お、いいサンプルがいた。持ってきてくれよ」「ええっ?」「拒否権はないから」と、部活の先輩・後輩みたいなノリでした。
ほかにも僕が直接声をかけたり、栄養士さんや会社の顧問たちにも協力してもらったりして、オリンピックの金メダリストや海外のクラブチームやJリーグで活躍するサッカー選手、プロ野球選手など、28種目、約700人のトップアスリートの便検体を集めることができました。「アスリートの腸に何かヒントがあるはず、それを調べてより多くの人の健康につなげたい」。その思いに賛同して協力してくれたのだと感じます。
―― 調べた結果、どんなことが分かったのでしょうか?