日経ARIA読者の約4割は管理職。人材不足や膨大な業務量の中で、部下の育成、成果の出し方、上司・経営層とのコミュニケーション……と悩む人も少なくない。「理想の上司像が分からない」という声も。そこで、管理職としての「人間力」を高めた「修羅場経験」にフォーカスし、大きな組織やプロジェクトを動かしながら部下から慕われるアネゴ管理職たちを徹底取材! 部下たちの本音にも迫ります。
アネゴ管理職の凄い人間力
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客室部門トップとしての並々ならぬ覚悟と信念
全世界で働くJALの客室乗務員、総勢6500人のトップに立つ、日本航空・執行役員客室本部長の安部映里さん。客室本部の責任者として、乗務員の採用から教育、勤務管理、緊急時の対応など、客室乗務員に関わる全てを統括している。凛(りん)とした佇(たたず)まいと力強いオーラを放つ安部さん。「威風堂々」という言葉が似合いそうなほど、圧倒的な存在感がある。
安部さんが今の客室本部長のポジションに就いたのは2014年。日本航空は2010年に経営破綻して以来、各部門で思い切った改革を求められていた。客室のトップである安部さんを中心に断行されたのが、乗務員の正社員化と、勤務形態の抜本的な見直しだった。後者においては、それまで休日が固定されていなかった乗務員の勤務形態を、「4日勤務し、2日休む」という「4勤2休」のサイクルに緩やかに固定化。乗務員の働き方を大きく変える改革を成し遂げた。
こうして数々の実績を残してきた安部さんだが、仕事をする中で常に心がけていることが3つある。それは「徹底的な準備」と、「やると決めたら最後まであきらめない姿勢」、そして「誰に対しても公平に接し、素直である」ことだ。これは自身の“強み”でもあると言う。具体的にどういうことなのか、次ページから、詳しく紹介していきたい。