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6ある朝突然、夫が死んでいた 配偶者を亡くしたとき←今回はココ
夫婦でいる限り必ず、どちらかが先に亡くなるときが来る。考えたくはないけれど、大切なパートナーを亡くしたら……何が待ち受け、どう生きていけばいいのでしょうか。「死生学」の研究者であり、自身も42歳で突然、配偶者を亡くしたというシニア生活文化研究所所長、小谷みどりさんに、「配偶者を亡くすということ」について聞きました。
朝起きたら、昨日まで元気だった夫が死んでいた
―― 小谷さんは42歳で配偶者を亡くされたそうですが、そのときの様子を聞かせてください。
小谷みどりさん(以下、敬称略) 私の場合は、朝起きたら隣の部屋で夫が亡くなっていたんです。前の日まで元気だったし、健康診断の結果も悪いところはなかった。本当に原因が分からず、何が起きたのか分からなくて、「自分が殺したのか?」と思ったくらい。人間って、あまりにもびっくりすることが起きると妄想を抱くみたいです。
―― 本当に突然だったのですね。そのとき、どう行動されましたか?
小谷 仕事として長年「死生学」を研究してきたので、亡くなっていたら警察に電話しなくてはいけないのは分かっていましたが、あまりにプロっぽいので先に救急車を呼びました。その後、どういう順番で誰に連絡したかは覚えてないんです。ゴールデンウイークの初日だから会社もやっていない。予期せぬことが起きたとき、どこに連絡していいのか分からないものです。携帯にロックがかかっていなかったから連絡先は分かったけど、夫の上司と同じ名字の方が二人いて苦労しました。名字は知っていても下の名前は分からない。まず必要な連絡先を知っておくことは大事ですね。刑事さんが二人来ていろいろ聞かれました。検視しても結局、死因は分かりませんでした。
―― 「突然の死」をどう受けとめてきましたか?
小谷 研究では「死を受容する」ためのプロセスがあり、その第一ステップは「死を認める」ことだといわれています。でも私はそれが今もできていません。あまりに突然で、病気で弱っていくようなプロセスもないので、「死んだ」ということが受け入れられませんでした。「天国に行った」と思うことは「死を受容した」と言われますが、私は今も「長期出張に行った」ような気持ちなので、「死を受容してない」ということになるようです。でも、それでもいいのではないかと思っています。