のるかそるか、早期退職。~45歳の地図~
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技術革新のスピードが速く、グローバル競争が激しいIT業界では、これまでにも多くの企業が早期退職者を募っている。
今年の3月末付で、あるIT企業を早期退職した大山志穂さんは、現在フィジーで3カ月間の語学留学を満喫している。取材時、一時帰国中だった大山さんは、「もともと海外旅行が好きだったのですが、息子が高校生のときに短期留学をして成長する姿を見て、私ももっと英語を話せるようになりたい、海外で生活してみたいと思うように。ゆくゆくは留学生の受け入れもしてみたいですね」とビジョンを話す。
大山志穂さん
【ライフスタイル】夫、子ども2人(いずれも大学生)
【以前の業種/職種】IT、人事
【早期退職応募時の年齢】50歳
【早期退職の優遇条件】退職金に基本給の48カ月分を割り増し
【通達から退職までの期間】約4カ月
【現在の職業】学生、フィジーに語学留学中(並行して転職活動中)
「フィジーの人口の半分はインド系で、ホストファミリーもインド系家庭。ホスト夫婦とその両親、息子2人というにぎやかな大家族で暮らしているのですが、私はこの年でも学生なので、末っ子のような扱いです(笑)。学校は朝の8時から午後4時まであり、会話やディスカッションまで毎日英語漬け。現地の生活を体験しながら、英会話が身についていくのを感じて、充実した日々を過ごしています」
昨年12月、会社から突然受け取った「配置転換の対象であり早期退職の道もある」という知らせに大きく戸惑うこともなく、むしろチャンスとばかりに早期退職を選んだ大山さん。通知を落ち着いて受け止めて、すぐに「渡りに船」とばかりに決意を固められたのはどうしてなのか。在職中から備えていたことは何か。前向きに早期退職を決断できた理由について、大山さんは語ってくれた。