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NHK富山放送局で9年間、ニュース番組などのキャスターを務めていた島永吏子(しま・えりこ)さん。長男出産直後に夫の転勤で東京へ。仕事のネットワークも、自由になる時間もない中、手探りで挑戦したYouTube。「眠くなる声」と言われた自分の声質を生かした「睡眠導入朗読」が人気に。島さんにYouTubeを始めたときの思いや、その後の自身の変化について聞きます。
最初は気が進まなかったYouTube
編集部(以下、略)―― キャスターとして活躍されていた島さんがYouTubeを始めたきっかけはどんなことですか?
島永吏子さん(以下、島) 自分が何もできない状況だったからです。私は地元のNHK富山放送局でニュース番組などのキャスターをしていたのですが、夫の転勤で30代後半に東京に来ました。今までの仕事のご縁がぷっつりと切れてしまい、1歳児の子育てに追われて外にも出られず、ストレスだけがたまる状態でした。マイクを家に置いて自宅で録音する「宅録」の仕事を受ける程度で他には何もできなかった。そのとき知り合いにYouTubeを勧められたんです。
―― もともとYouTubeには興味があったのですか?
島 いいえ。正直、気が進みませんでした。今までたくさんの方と一緒に番組を作ってきたのに、自分で録画して1人で制作するなんて、ちょっとさびしい気がしてしまって。子育てに追われてヨレヨレの状況で画面に顔を出すのも抵抗がありました。夫も「え、YouTube? できるの?」と。でも、社会に自分の居場所がないと焦る中で、「何か変えなくちゃいけない」という思いがつのり、やろうと決めたんです。
―― 意外と後ろ向きなスタートだったのですね。最初はどんな動画から始めましたか?
島 子どもが小さかったので、紙芝居をつくって子どもと一緒に童話を読む動画をつくりました。スマホで撮って、子どもの習い事の待ち時間とか隙間時間にスマホで編集していました。できる範囲でいろいろ妥協しながら始めました。
―― 反応はいかがでしたか?
島 全然ダメでしたね。再生回数も2ケタ止まり。新しいことを始めるのは難しいんだと思いました。すごく疲れて、むなしくなることもしばしばでした。辞めたくなることもありましたが、このままではいけないと考えるようになりました。