私の、チームの強みの見つけ方
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1「ストレングス・ファインダー」自分の強みを武器にする
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2上司の強みが部下のプレッシャーに 資質別の注意点とは
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340代からのキャリアに必要なのは棚卸し 2大ポイント←今回はココ
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4本当に強いチームの共通点 リーダーが弱みを見せられる
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5GAFA流 成果を上げるチームに必ずある心理的安全性
40代以降こそ、能力の棚卸しが必要
自分の「キャリアの売り」は一体何か。ずっと同じ会社で働き続けるにしても、転職をするにしても、「自分の売りや強みの把握、いわば“能力の棚卸し”は、40代、50代以降こそやるべきです。まずは棚卸しをして自分自身を知らないと、その先どう働くのがいいか見えてこないのです」と言うのは東洋大学准教授でキャリアカウンセラーの小島貴子さんだ。
「20代の自分と、40代、50代の自分とでは、仕事の環境も、身に付けた能力も大きく違っているはずです。できれば5年ごとに、自分のキャリアと、そのときの自分自身のありようを思い出し、書き出して向き合ってみることを勧めます」。では具体的にどう棚卸しをしていけばいいのか。小島さんに聞いた。
「自分の能力・強みの確認」だけが棚卸しではない!
「棚卸し」とは一般的に、所有している資産や製品の数量、価値などを確認することを言います。1日、1週間、1カ月ごとなどに商品の在庫を把握し、何が売れていて、何が売れていないかも確認します。ということは、「能力の棚卸し」に関しても、定期的に「何が使えるのか」「何が使えていないのか」「使えていないけど、まだ使える・売れるものは何か」といった確認が必要。商店でもそうですよね。「いい製品だから知ってもらえさえすれば売れる」というものは、工夫して前面に陳列するはずです。
つまり、棚卸しは、「自分にどんな能力があるのか」を確認するだけではなく、「自分の能力でもっと使っていきたいもの」「人に伝わりづらい能力(売り)を明解にする」ことなのです。
最近、旅行業界の事務職一筋だった51歳の女性の転職相談に乗りました。コロナ禍で旅行業は大打撃を受け、彼女は早期退職をすることに。まだ働きたいけれど、同じ業界には仕事がない。どうしたらいいですか、という相談でした。私がご紹介したのは、下にある「棚卸しシート」です。
この棚卸しシートの左側には、「情報収集ができる」など、働く人の多くが使うであろう能力が書かれています。チェックした項目が最も多くある枠にあるのが、自分が現在よく使っている能力(問題解決能力、企画実行能力など)です。強みだと自負している能力とも言い換えられます。
少し話がそれますが、日本人の再就職、転職のボトルネックは、自分の能力や強みを相手にうまく伝えられないこと。伝えられない大きな理由は、自分が持っている能力を、どんな業界や職種でも使えるような汎用性の高い表現で語っていないからです。例えば、先ほどの彼女は、「旅行業界の中で使える能力」という過去に自分がいた業界で通用する表現にとどまっていました。それだと他の業界や職種には、あなたの持っている能力が生かせない、当てはまらないと思われてしまいます。