楽しいお金の使い方
-
1持ち家ではなくキャンピングカー「時間と体験を買った」←今回はココ
-
2V6を26年推すFPの極意 お金は使う人ほど増やせる
-
3ピンクのバイク「カブ」に一目ぼれ 免許がないのに購入
-
4古民家をDIYでリノベーション 瀬戸内で理想の暮らし
-
518年間家族の夢を応援 今度は「自分の番」と本を出版
-
6仕事を通じて運命の出合い 過疎の町で古民家再生に夢中
空前のキャンプブームで、キャンピングカーに注目が集まっています。注文しても納車までに1年以上待つというケースもざらです。アウトドア志向が高まっているところに、災害などへの備えにもなると話題になり、さらに新型コロナ禍で「キャンプは比較的安全なレジャー」と人気に火が付きました。薬膳料理家の阪口珠未さんは、今回のブームが訪れる10年以上前に「これからの10年間、今でないとできない体験をするために」とキャンピングカーを購入。その結果、得られたものとは?
家を手に入れる代償として「自由を売りたくはない」
編集部(以下、略) 阪口さんがキャンピングカーを購入したきっかけは?
阪口珠未さん(以下、阪口) 購入したのは2010年で、そのころは夫の会社の同僚などが続々と家を購入していて、賃貸住宅にこのまま住み続けることに私たちは不安や焦りを感じていました。住んでいたのは東京・目黒、私の勤務先の近くです。マンションを購入するとなると1億円近くになる。背伸びして何十年もの住宅ローンを組むのは嫌だね、というのが私たちの価値観でした。10年くらいで返せる金額ならいいけど、30年も先の未来は確約できないし、家を手に入れる代償として自由を売りたくはない。
じゃあ、私たちが今本当に欲しいもの、必要なものは何だろうと考えたら、答えは「この先の10年間、子どもと一緒に過ごす時間を充実させたい」というものでした。娘は当時3歳。週末などにずっと一緒に過ごせるのは、中学生くらいまでだろうと考えると、今すぐ私たちが娘と一緒に楽しみたいと思ったのは、山歩きやキャンプでした。私も夫もそれぞれ自然が身近な環境で育っていたから、娘にも、週末には郊外のショッピングセンターに行くだけでなく、自然の中で楽しむ経験をさせたかったんです。
―― とはいえ、普通の車ではなくキャンピングカーとなるとかなり高額なのでは。いくらくらいになりますか?