モチベ先生の極意 部下のやる気は上司次第
-
1部下のモチベーション管理どうする? 高い社員2割のみ
-
2部下モチベダウンの危険も! 目標管理面談の誤解
-
3サマンサタバサ世永亜実 20代女性のモチベの上げ方
-
4人事のプロが実感 年次評価より「1on1」で人は成長←今回はココ
-
5流山市マーケ課長 「自分ごと」で市民を巻き込む仕事術
-
6LAVA 社員の貢献評価ガラリ変更、成長エンジンに
アパレルブランドギャップジャパンの人事本部長、人材サービス会社ランスタッドの取締役・最高人材開発責任者(CPO)など、グローバル企業で活躍してきた「人事のプロフェッショナル」志水静香さん。2018年には自ら会社を立ち上げ、大学やベンチャー企業などで組織開発・人材育成のアドバイザーとして活躍している。
17年間勤めたギャップジャパンでは、従来の人事評価(レイティング)を廃止する「ノーレイティング」や、上司と部下の日常的な対話を促す「1on1(ワンオンワン)」など、国内外の先進企業が注目する人事制度をいち早く確立。ビジネス環境が急変する時代に、社員のモチベーションを引き出しながら会社の目標達成と成長に貢献してきた。
そんな志水さんの周りには、会社を変えたいという意欲を持った次世代のリーダーはもちろん、キャリア相談に訪れる後輩の姿も絶えない。人事のプロがモチベーションアップ効果を実感した、先進的なマネジメント策とはどんなもの? 上手に取り入れるコツとは? 人事としての視点、さらに一人の管理職としての視点から、その秘訣を聞いた。
今、先進企業の人事が注目するモチベアップ策とは?
―― ここ数年、国内外の先進企業では、従来の人事評価であるレイティングを廃止する「ノーレイティング」など、新しい人事マネジメント策が注目されていると聞きました。具体的にどんな内容で、なぜこうした策が必要となってきたのでしょうか?
志水静香さん(以下、敬称略) 2012年ごろに米国の西海岸に本拠地を置く先進的な企業が、優秀な人材を確保し、活躍してもらうために新しい人事マネジメントの手法を次々とを導入し始めました。従来の年次評価ではなく、上司と部下による質の高い対話を通して「社員の成長を支援することが、会社の成長につながる」という考え方から新しい「パフォーマンス・マネジメント」あるいは「パフォーマンス・ディベロップメント」と呼ばれています。
志水 その代表的な例が、社員を評価してランク付けを廃止する「ノーレイティング」。人材のランク付けをなくす代わりに、上司と部下の日常の対話を通して成長を支援する点が特徴です。こうした新しいモチベーションアップ策が登場した背景は、大きく3つあると考えています。
―― パフォーマンス・マネジメントを実現するためのノーレイティングに代表されるような、新しいモチベーションアップ策が必要になった3つの背景とは何でしょうか?