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14年間勤めた東京電力を思い立って退職し、2009年から千葉県流山市のプロモーションを行う任期付職員として、前例のなかった自治体マーケティングの道へ飛び込んだ河尻和佳子さん(46歳)。きっかけは、子どもが小学校に入るタイミングで千葉県流山市内への引っ越しを決めた矢先に、新聞で報道官の公募を見たこと。「私がやるべき仕事なのでは?」とピンときて応募し、採用されたのだという。
2010年には、河尻さんが手掛けた首都圏向けの展開広告「母になるなら、流山市。」が話題になり、街の知名度は急上昇。さらに、母の自己実現を応援する「そのママでいこうproject」、年間14万人を集客する「森のマルシェ」など、市民協働のユニークなイベントを次々と企画。予算もスタッフも限られた中で、市民を巻き込んで企画を成功に導き、子育てしやすい自治体・流山市の認知度アップと人口増とに貢献してきた。
昨年からはマーケティング課長として部下を育てる立場になり、「人のプロデュースが楽しい」と話す河尻さん。市民そして周囲の職員のモチベーションを高める策とは? 日々のマネジメントの秘訣を聞いた。
自由に使える予算はゼロ! まずは自分のモチベを上げる
―― 2004年、千葉県流山市には全国の自治体で初のマーケティング課が作られたそうですね。河尻さんは東京電力から自治体のマーケティングという全く別の環境に飛び込んだわけですが、入ってみていかがでしたか?
河尻和佳子さん(以下、敬称略) 当時のマーケティング課は5人いて、私を含めて外部から入ったのは3人。私は流山市の子育て世代を増やすためにプロモーションを行うという特命を受けた「一匹狼(おおかみ)」でした。
最初の1年間は成果が出せず、もがきましたね。前年度に立てた予算に沿って動くため、自由に使える予算がなく、やりたいことができない。前職のマーケティングで培ったデータ分析のスキルも、分野が違うため役に立たず、前任者がいないので、引継ぎもない。「外から入ってきたのに何もできない人」と陰口をたたかれていました(笑)。
そんな中で気づいたのは、そもそもこの仕事に応募したのは「前例がないことへの挑戦にワクワクしたから」。ならば前例を自分が作ってやろう、と自身のモチベーションを上げながら少しずつアイデアを実行し始めたところ、2年目から少しずつうまくいくようになりました。