フェムテックと更年期
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大手企業もフェムテックに熱視線
2020年が日本における「フェムテック元年」と呼ばれていることをご存じだろうか。フェムテック市場が対象とするのは、生理周期の記録や吸水ショーツなどの月経分野、産科医へのオンライン相談や妊よう力のセルフチェックキットなどの妊娠・不妊分野、さらに更年期に特有の症状に対応した更年期分野など、女性のライフステージに応じた婦人科系の幅広い領域だ。GUやユニクロが吸水ショーツを発売、丸紅が新規事業をスタートさせるなど、大手企業が相次いでフェムテック市場に参入している。
女性とテクノロジー を掛け合わせた造語
「私たちがフェルマータを創業した2019年は、フェムテックという言葉は日本では全く通じなかった。今のようにフェムテックに注目が集まるとは全く予想していませんでした。ですが、2020年からはさまざまな企業から問い合わせをいただき、この分野が産業として大きく推進しました」。国内フェムテック市場のパイオニアと言われるフェルマータの共同創業者でCCOの中村寛子さんは言う。フェルマータは、フェムテック専門の実店舗・オンラインストアを展開し、海外企業が開発したフェムテック製品を販売したり、日本企業へのコンサルティング事業などを行ったりしている。
フェムテックで先行するのは欧米。拡大を続ける世界市場
「フェムテック」という言葉の生みの親は、2012年頃にドイツで月経管理アプリを作ったスタートアップ企業の女性創業者。「男性投資家に“生物学的女性の健康課題には切実な需要がある”ことを説明するため、ウェルネス産業の新たなジャンルとしてフェムテックという言葉が使われました。日本では、おそらく吸水ショーツをきっかけにフェムテックという言葉を知った人が多いのではないでしょうか。一般消費者にまでこの言葉が浸透しつつあるのは、日本独自の展開です」(中村さん)。日本では、女性をエンパワーメントする動きとも重なり、生物学的女性の心身にまつわる固定観念を変容するムーブメントの1つとしても、フェムテックが捉えられ始められている。
海外では、2017年に約50社だったフェムテックに関するスタートアップ企業数が2020年には約480社に増加。市場規模は2019年から年率15.6%のペースで拡大し、27年には約600億ドル(約6兆6000億円)まで成長すると予測されている(エマージェン・リサーチの試算)。だが、「フェムテック市場で先行するのは、欧米。日本はまだまだプレーヤーが少ない」と指摘するのが、投資家の立場からフェムテックを支援するグローバル・ブレイン ディレクターの皆川朋子さんだ。