フェムテックと更年期
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更年期以降の女性が抱える「GSM」の悩み
更年期世代のフェムテックで、新たなキーワードとなるのが「GSM(閉経関連尿路生殖器症候群)」です。2014年、国際女性性機能学会と米国更年期学会において新たな疾患として提唱されました。「これまで更年期以降、女性器におこる症状は『萎縮性腟(ちつ)炎』という病名で呼ばれていましたが、それはあくまで解剖学的な名称。もっと女性の悩みに寄り添って、症状や病態を総合的にとらえようという動きから生まれたのがGSMです」と女性医療クリニックLUNA理事長の関口由紀さんは話します。
GSMの主な症状は3つ。1つは“デリケートゾーンのかゆみ”。外陰部が乾燥してガサガサしたり、かゆみや痛みを感じたりするような皮膚症状です。2つ目は尿漏れや頻尿、再発性膀胱炎などの排尿の症状。3つ目は性交痛や性交後の出血といった性機能に関する症状。腟の潤いが減少したり、腟が緩んだり、固くなったりすることで、性的意欲も低下します。「米国では閉経後の女性の50%ぐらいが何らかの症状に悩まされていると言われます。日本は世界基準よりも閉経後に性的活動をする人が少ないので、15~45%くらいが困っているとされています」
「老化だから仕方がない」と諦めないで
女性ホルモンの減少によっておこる萎縮性腟炎は、かつては「老人性腟炎」とも呼ばれ、老化によるものだから仕方がないと見過ごされてきました。中でも尿失禁や性交痛は女性のQOLを著しく下げる一方で、恥ずかしさから周囲に相談しにくく、命にかかわるような疾患ではないため、医療にもかかりにくいのが現状です。しかし、「GSMは慢性で進行性の疾患です。早めに適切なケアや運動、治療をすれば、かなり改善できる」と関口さんは言います。
「フェムテックがブームになることで、これまで患者さんが我慢してきたような症状に対して、新しい技術や情報、ケア製品が紹介され、自分の体を守れるようになる。それは女性にとっていいことだと思います」。
では、GSMの症状には、どのようなケアや治療法があるのでしょうか。