【特集】氷河期世代の逆転人生
-
1就職氷河期が深刻化したわけ 翻弄された世代の強みとは
-
2ふるさとチョイス創始者 氷河期で職を放浪後に逆転起業
-
3コロナで思う 就職氷河期に苦しんだ私たちの時代が来た←今回はココ
-
4氷河期世代に大逆転の秘策アリ? 企業存続の切り札に
-
5氷河期世代は壮大な同期 100年時代で人生巻き返し!
アジア市場で日本の商品・サービスや訪日観光のマーケティング&ブランディングを手がけ、観光庁の専門家でもある小松﨑友子さん(42歳)。社会生活のスタートは、グローバルに活躍する現在の姿からは想像しがたいものでした。「まるでジェットコースターのよう」と本人が振り返るほど紆余(うよ)曲折の約20年を乗り越えられたのは、「就職氷河期を経験したからこそ」だと振り返ります。
最後の面接でようやく就職が決定、入った会社はブラック企業
―― 大学の専攻は教育学部だそうですが、教師になるという選択肢はなかったんですか?
小松﨑友子さん(以下、敬称略) 「将来は埋もれている才能を見つけて伸ばす仕事に就きたい」という思いから教師を志し、教育学部に進学しました。でも、映画のサークルに所属して、脚本を書いたり撮影したりしているうちに、「やりたいことは世の中にメッセージを発信する仕事。それは広告代理店でできること」と確信したんです。
とはいえ、卒業した2001年は就職氷河期まっただ中で、広告代理店は新卒採用がほとんどなく、とにかく就職しなければと焦り、最後に面接を受けたのが英会話学校でした。「学校だから教育学部出身者は採用されるかな?」ぐらいの気持ちで……。正直、消極的な理由でしたね。
小松崎 英会話学校での主な仕事は、新規顧客の獲得です。日々厳しいノルマが課せられ、その日の目標を達成できなかった日は、オフィスに寝泊まりしたこともあります。いわゆるブラック企業ですよね。初めて働いた会社だったから、それが当たり前だと思って、社会って厳しいんだな、程度に考えていました。よくも悪くも、その点においては鈍感でしたね(笑)。
その一方で、多くの英会話学校の中から、生徒さんが私たちを信じて選んでくれたのがうれしくて。彼らの気持ちに報いなきゃという思いで、どうしたら楽しく学べるかをいつも考えていました。イベントを企画したり、生徒さんの進捗状況を先生と共有して目標達成まで応援したり。マニュアルにないことでも、自分にできることを見つけてやり尽くすのが楽しかったです。