人生100年時代 誰もがいつかはフリーランス
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640歳でソニー退社 ゼロからフリー広報、なぜ法人化?←今回はココ
遠藤眞代さん(47歳)は7年前、ソニーを退社し、フリーランスになった。短大卒業後、同社に入社して勤続20年もの間、主に広報業務に携わってきたが、40歳の節目に独立。ソニー時代は結婚、出産といったライフステージの変化も経験した。
「ソニーでは、社内広報を3年間経験した後、オーディオ機器やビデオ、ブルーレイレコーダーといったデジタル家電全般の広報活動をしてきました。メディアの記者さんやライターさんと話すのが楽しくて、『どうやって製品を訴求すればいいのか』を教えていただきました」
会社に居場所がなくなる…焦りが離職を後押し
ソニーで順調に広報パーソンとしてのキャリアを積み上げてきた遠藤さん。2009年に36歳で娘が生まれて産休に入り、翌年には職場復帰を果たす。仕事で手を抜きたくない一心で、時短勤務にはせず、広報業務を続けてきた。毎朝4時に起きる生活が続き、日々の業務や育児に忙殺されて、以前のようにメディアと密にコミュニケーションができないもどかしさを感じていた。
そんななか、さらに追い打ちをかける事態が起きる。それまで、自身で執筆してきた「ニュースリリース」(*)の担当領域に関わる制作業務の一部を、外部委託することが決まったのだ。そのとき、遠藤さんは「自分の居場所がなくなった」と感じたという。
##脚注 (*)報道機関や消費者に向けて新商品の発表などを告知するために作成するドキュメント「私は、企業からメディアへのメッセージともいえる、新製品のニュースリリースを書くのが好きでした。自分でリリースを書かないと、製品の説明ができないと思っていたので、外部委託されると当時聞いて、広報業務が機械化され無味乾燥なものになる気がしました」
モヤモヤした気持ちを抱えたまま40歳を迎える。折しも、会社で早期退職者の募集が始まった。対象年齢は40歳以上。遠藤さんは最も若い対象者の一人だったが、「何年か後に会社を出なければならない雰囲気になるのが嫌」で、希望を出した。上司や同僚には強く引き留められたが、日ごろの鬱々とした気持ちと、「引き留めてもらえるうちに辞めるのが美しい」という思いから、退職に迷いはなかった。