最新・詐欺トラブルから身を守る
-
1ロマンス詐欺に投資詐欺…まさか私が!トラブル最新事情
-
2ロマンス詐欺で偽ハリウッドスターに7500万円、なぜ←今回はココ
-
3SNS入り口に被害者が若年化 投資詐欺に遭う人の特徴
-
4還付金がある、勝手に商品が届く… 親を狙う詐欺&商法
外国人だと語ってSNSやマッチングアプリを通して恋愛感情を抱かせ、生活費や投資などを名目に金銭をだまし取る「国際ロマンス詐欺」。国民生活センターによると、「被害者の総数は男性が多いが、2020年から21年にかけて女性相談者の割合は増加しており、年齢も30~40代と若年化している」といいます。
「レディコミの女王」と名高い、漫画家の井出智香恵さんもその被害者のひとり。18年春から約3年半、ハリウッドスターのマーク・ラファロを名乗る人物にお金を送り続け、総額7500万円もの大金を失いました。「今後私のような被害者を生みたくない」という思いから公表に踏み切った井出さん。詐欺被害の経緯や経験者視点での注意点などを語ってくれました。
「君の漫画をエマ・ワトソンから紹介された」
編集部(以下、略) 詐欺師と初めて接触したのは70歳のときだったそうですが、どのようにして出会ったのですか?
井出智香恵さん(以下、井出) 最初はFacebookでメッセージが届きました。大好きな映画『アベンジャーズ』シリーズの超人・ハルク役を演じるマーク・ラファロ本人だというのですが、もちろん最初は疑いました。ハリウッドスターが私に連絡するはずはないですから。
でも彼に「(俳優の)エマ・ワトソンに君が描いた『源氏物語 美しの花乱』を薦められたんだ」「すごい才能の持ち主だ。君ともっと仲良くなりたい」などと言われてすっかり舞い上がってしまったんです。『源氏物語 美しの花乱』は英訳され、海外でも出版されていましたから。
―― やりとりは英語だったのですか?
井出 そうです。私は英語が得意ではありませんから、ネットの翻訳機能を使いながらチャットで会話していました。それも大きな失敗の一つです。慣れない言語でのやりとりでは嘘も見破りにくいですし、後に英語圏で生活している知人に見せたら、相手の英語もネーティブではなく、間違いだらけだったというのですから!
―― 英語が得意だったら、最初の段階で見破れたのですね。他にもだまされた要因はありますか?
井出 何度も「本人なの?」と疑ったこともありましたが、そのたびにマークは「なんてひどいことを言うんだ!」と、本気で怒りました。そしてある日「じゃあ、ビデオチャットをするかい?」と提案されたんです。