ピンチをチャンスに! 失敗から学んだ10のこと
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「私、失敗しないので」
米倉涼子演じる大門未知子が毅然と言い放つせりふでおなじみのテレビドラマ『ドクターX ~外科医・大門未知子~』(2012年~、以下『ドクターX』)は、現在6シーズン目に突入し、視聴率も今クールでぶっちぎりに高く、絶好調。まさに「私、失敗しないので」を地でいく成績を収め続けているが、このドラマの生みの親の一人がテレビ朝日エグゼクティブプロデューサーの内山聖子さんだ。
内山さんは、『ドクターX』を筆頭に『ガラスの仮面』『黒革の手帖』などヒットドラマを数多く手掛けているが、実は、初めて手掛けた連続ドラマでは大失敗。ド派手にコケて打ち切りになり、アシスタントに降格されたという。これ以外にも数々の手痛い失敗や挫折を経験。「ドラマを作り続けて25年、悔し涙を流したことも一度や二度ではありません。でも、失敗をやらかしたからこそ、今があるんです」と話す。
「失敗しない女」大門未知子を生み出した、「失敗だらけの」内山さんが失敗から学んだ哲学はノウハウに満ち、私たちをときに慰め、ときに力づけてくれる。

初めて手掛けたドラマで恐怖の大失敗!
―― 内山さんはテレビ朝日に入社後、5年間の秘書室勤務を経てドラマ班所属となり、念願かなって初プロデュースした連続ドラマの第一話視聴率が8%、そして途中で打ち切りに……という経験をされています。
内山聖子さん(以下、敬称略) あれは20年たった今でも忘れられない失敗です。しかし、同時に私の原点であり、あの失敗があったから今がある、と思っています。
初めて自分がプロデュースするドラマで豪華出演者が決まり、プレッシャーも感じないほど舞い上がっていました。ところが「絶対に面白い」と自分が信じていたものに「まったく人が共感しない」ということをはっきりと視聴率という数字で突きつけられました。特にテレビはその失敗を「さらされ」ます。箱を開けてみたときの恐怖はすごかった。社会人になって初めての経験でした。
―― 撮影中にドラマの打ち切りが決まったとき、どう行動しましたか。
