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関東圏の居酒屋ではおなじみの、焼酎を割って楽しむビアテイスト発酵飲料ホッピー。製造元のホッピービバレッジは創業1905年のオーナー企業だ。2010年に3代目として社長のバトンを受け継いだ石渡美奈さんは、家内制手工業的だった社内の改革に副社長時代から取り組んできた。
自らを広告塔「ホッピーミーナ」と称し、抜群の発信力と行動力で売り上げ拡大やホッピーの認知度向上を実現してきたが、その歩みはご本人いわく「一勝九十九敗」。経営者として、また若手社員を育てるリーダーとして、困難をどのように乗り越えてきたのだろうか。
子どもの頃から挫折続きの人生
―― 2010年に3代目社長となって今年で10年目ですが、これまでを振り返って、挫折や失敗は多かったと思いますか?
石渡美奈社長(以下、敬称略) 私は子どもの頃から一筋縄ではいかない人生なんです。始まりは「お受験」。中学と高校は田園調布雙葉学園だったんですけど、元は幼稚園から受験していました。それが幼稚園に落ちて、小学校も落ちて。小学2年生の編入試験では補欠合格したのに結局入れなくて、あまりの悔しさに大泣きしたことを覚えています。「なぜ周りの人がスムーズにできることが、私にはできないんだろう」ということが、人生の中で本当に多いんです。
ユニクロの柳井正さんは『一勝九敗』という本を書かれていますけど、私の場合は「一勝九十九敗」って感じです。
―― 家業のホッピービバレッジに入社してからでいうと、著書やインタビューでたびたび言及されてきた「工場長の乱」がやはり大きかったでしょうか? 副社長時代、改革案を次々と現場に導入しようとした石渡さんに対し、工場勤務の社員全員が反発し、工場長に辞表を突き付けられたそうですね。
石渡 それもありますが、私自身としては、人を育てる難しさをずっと感じています。2006年から新卒採用に取り組んでいますが、これが全く思うように育てられないわけです。
弊社では採用の際、「社員として一人前のプロにするのに10年かけて育てるから」と約束しています。だから皆、入社するときは10年頑張りますという心構えで来るわけですが、その前にたもとを分かつ社員も少なからずいます。
