ピンチをチャンスに! 失敗から学んだ10のこと
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経営学は失敗を考えつくした学問
「経営学では失敗に対する研究を徹底的に重ね、その結果を学問に取り入れています。なぜならビジネスというものは多くが失敗するものなので、それにどう対処するかが重要だからです」
こう話すのは、経営戦略論、国際経営論の専門家で早稲田大学ビジネススクール教授の入山章栄さんだ。「私たちはその経営学を、思考の軸(ベンチマーク)として活用することができます。つまり、100%絶対にそうだとは言い切れないものの、人間の行動原理というものを踏まえて『Aの出来事が起きたら、Bの結果になる可能性が高いですよ』ということを学ぶことができるのです」と言う。
では、経営学的に失敗はどう捉えられているのか。そして私たちはそれをどう生かしていけばいいのか。入山さんに聞いた。

まず、たくさんの失敗をしておくことが重要
まずはっきり言えるのが「失敗は大きなチャンス」だということです。経営学に則せば、失敗体験は、成功体験以上にその後のパフォーマンスを向上させるのです。後述しますが、このことを明らかにした研究もあります。
失敗の最大のポイントは「その失敗をどう次に生かすか」に尽きます。その背景にあるのが「サーチ行動」です。
これは1978年にノーベル経済学賞を受賞したハーバード・サイモンらが提唱する「サーチ理論」の考え方。人間は失敗すると今までの方法を見直し、新しい情報を得ようとする(サーチする)傾向があります。この学習効果によって、成功確率が上がるのです。
サーチ行動を続け自分の行動として定着させるためにも重要なのは、成功を重ねること以上に「まず、たくさんの失敗をしておくこと」です。
