相続や介護でもめたくない 親のこと、きょうだいのこと
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親の介護が必要になったとき、きょうだいでの分担に悩む人は多いです。主になって介護する人と、そうでない人の間にあつれきが生まれると、どうしてもギクシャクしてしまうもの。介護者のメンタルケアの専門家である橋中今日子さんは「お互いの気持ちを分かり合うのは難しい」と言います。しかし、あきらめるのはまだ早い。その背後にある心理を理解すれば、対処法が見えてくるのだそうです。
「大介護時代」に突入! 介護していたきょうだいが倒れることも
編集部(以下、略) 親の介護をするうえで、きょうだいの間でトラブルになるのにはどのようなケースがあるのでしょうか。
橋中今日子さん(以下、橋中) いくつかありますが、最近増えている相談で多いのは、主な介護者だったきょうだいが急に倒れたり亡くなったりするケースです。
例えば、実家で母親と同居して介護してくれていたお姉さんに、突然病気が見つかり、入院治療が必要になる。母親の介護が一気に自分の肩にのしかかって途方に暮れる。
親の介護だけでなく、お姉さんが単身者の場合、お姉さんの看病が必要な場合もありますし、お姉さんが支えていた家族のケアが必要なこともあり得ます。きょうだいが突然死というケースも少なくはないんです。
―― なるほど! きょうだいは元気だという前提で考えていましたが甘かったですね。こういったケースが最近増えているのには理由があるのですか?
橋中 理由も何も、これが「大介護時代」に突入しているということです。団塊の世代が全員後期高齢者になる「2025年問題」はもう始まっているんですよ。団塊ジュニア世代も50代にさしかかっています。
実感が持てないかもしれませんが、ずいぶん前から言われていたこと。それを現実の問題として体験する人が増えてきているのだと思います。